戦後80年になるのに合わせて、松江市出身で東洋思想研究の第一人者として知られる、中村元 博士の戦争体験や平和研究などの資料を集めた企画展が開かれています。
中村元 博士は大正元年に松江市で生まれ、インド哲学や仏教など、東洋思想研究の第一人者として知られていて、世界平和を訴える著作を数多く残しています。
ことし戦後80年になるのに合わせて、松江市にある中村元記念館では、中村博士の研究資料などを通じて平和について考えてもらおうと企画展が開かれています。
企画展では、中村博士が日中戦争で軍に入隊し松江を出発する際に使われた「出征旗」や、軍隊手帳の中身が初めて展示されていて、病気のため中国には行かなかったものの、戦争の時代に身を置いていたことがわかります。
また、異なる文化の思想を比較して研究した著作や直筆の原稿も展示され、相互理解を深めることで世界平和を願った研究への思いを知ることができます。
中村元記念館の加藤千乃学芸員は「世界情勢が不安定な中、中村博士の研究に触れて平和について考えてもらうきっかけになってほしい」と話していました。
この企画展は12月27日まで開かれています。
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