米国株式市場は2日続いた上昇が一服した(2025年 ロイター/Mike Segar)
[25日 ロイター] – 米国株式市場は2日続いた上昇が一服した。イスラエルとイランの停戦が不安定ながらも維持される中、投資家はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言2日目に注目した。
情報技術セクター(.SPLRCT), opens new tabが堅調となり、ナスダック総合(.IXIC), opens new tabは上昇したが、S&P総合500種(.SPX), opens new tabは横ばいで引けた。S&Pは2月19日に付けた終値の最高値に迫っている。ダウ工業株30種(.DJI), opens new tabは下落した。
カーソン・グループのチーフ市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「いつもの強気相場に戻ったようだ。関税問題や中東情勢に対処しながらも、米経済の底堅さを背景に株価は上昇を続けている」と指摘。「S&P500の最高値更新が待たれる中、きょうはペンキが乾くのを見ているようなものだ」と語った。
半導体大手エヌビディア(NVDA.O), opens new tabは過去最高値を更新。時価総額は3兆7500億ドルに達し、世界で最も価値のある企業となった。S&P500の主要11セクターは情報技術、通信サービス(.SPLRCL), opens new tab、ヘルスケア(.SPXHC), opens new tabが上昇。不動産(.SPLRCR), opens new tab、主要消費財(.SPLRCS), opens new tab、公益事業(.SPLRCU), opens new tabなどのディフェンシブセクターはアンダーパフォームした。
デトリック氏は「強気相場の生命線はローテーションだ。テクノロジーと通信サービスがバトンを取り戻していることは、このサプライズ的なサマーラリーがまだ続く可能性が高いことを示す良い兆候だ」と述べた。
イスラエルとイランの脆弱な停戦は維持され、トランプ大統領は、米国の攻撃がイランのウラン濃縮施設に与えた損害の程度が明確になっていないにもかかわらず、勝利を宣言した。 もっと見る パウエル議長は25日、議会上院の銀行委員会で証言を行い、トランプ大統領の広範な関税措置がインフレに与える影響がより明確になるまで、利下げを急ぐ必要はないと改めて表明した。前日に下院金融サービス委員会で行った証言でも同様の考えを示していた。 もっと見る
CMEのフェドウオッチツールによると、金融市場では7月の利下げ確率が約25%、9月の確率が67%織り込まれている。
電気自動車(EV)大手テスラ
(TSLA.O), opens new tabは3.8%下落。5月の欧州新車販売が5カ月連続のマイナスとなった。 もっと見る
景気先行き不透明感が引き続き企業のガイダンスに重くのしかかっている。
物流大手フェデックス(FDX.N), opens new tabは3.3%安。24日の決算発表で、米関税を巡る世界的な需要の不安定化を理由に今四半期の利益が市場予想を下回るとの見通しを示した。同業ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)(UPS.N), opens new tabは1.2%下落した。 もっと見る 食品大手ゼネラル・ミルズ(GIS.N), opens new tabも期待はずれの利益ガイダンスを発表し、株価は5.1%下落した。
カナダのサイバーセキュリティー企業ブラックベリーの米上場株は12.5%急伸。堅調な需要を背景に売上高予想を引き上げた。
メモリー半導体製造のマイクロン・テクノロジー(MU.O), opens new tabは引け後に発表した第4・四半期の売上高見通しが市場予想を上回ったことを受け、株価は時間外取引で5%以上上昇した。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.94対1の比率で上回った。ナスダックでも1.83対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は160億2000万株。直近20営業日の平均は180億8000万株。
LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります
※米国株式市場
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab
WACOCA: People, Life, Style.