5月の米新築住宅販売は前月比で減少。減少率はここ3年近くで最大となった。販売促進策が相次いだものの、費用面での住宅購入の厳しさを和らげるには不十分だった。

キーポイント新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、年率換算)は前月比13.7%減の62万3000戸7カ月ぶり低水準ブルームバーグ調査のエコノミスト予想全てを下回る予想中央値は69万3000戸前月は72万2000戸(速報値74万3000戸)に下方修正

  今回の統計は、経済情勢の厳しさが増す中、住宅建設業者が在庫の積み上がりに直面している状況を浮き彫りにしている。住宅ローン金利が7%付近で高止まりしているほか、関税の影響で資材コストは上昇、労働市場は減速している。建設業者は顧客の資金調達コスト軽減のため販売促進策に動いているが、そうした促進策はリターンの低下をもたらし、多くの業者が建設ペースを落とす状況につながっている。

  ネイビー・フェデラル・クレジット・ユニオンのチーフエコノミスト、ヘザー・ロング氏は「この春と夏は、不動産市場にとって非常に厳しい環境になっているようだ」と指摘。「購入希望者は不確実性や高水準の住宅ローン金利を懸念しており、様子見姿勢を続けている」と述べた。

  5月末時点で売りに出されていた新築住宅は前月からやや増加し、2007年以来の高水準。現在の販売ペースで見た場合、在庫消化に要する期間は9.8カ月となる。完成しているがまだ売れていない物件数は11万9000戸と、約16年ぶりの多さ。

  販売価格(中央値)は前年同月比で3%上昇し、42万6600ドル(約6210万円)。価格が前年比で増加するのは今年に入り初めて。

  地域別に見ると、最大地域の南部が21%減と、ほぼ12年ぶりの大幅な落ち込み。西部と中西部も減少した一方、北東部では増加した。

  統計の詳細は表をご覧ください。

原題:US New-Home Sales Drop by Most Since 2022 on Poor Affordability(抜粋)

(統計の詳細やコメントを追加し、更新します)

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