〈左から〉SANAA 西沢立衛、妹島和世。Photo: ©SANAA
戦後80年という節目の年を迎える2025年、日本の建築文化を世界に発信する新たな国際イベント『ひろしま国際建築祭2025』が、10月4日(土)から11月30日(日)まで、広島県福山市と尾道市を中心に開催される。総合テーマは「つなぐ―『建築』で感じる、私たちの“新しい未来”」。文化・物流の大動脈であった瀬戸内海沿岸を舞台に、歴史、風土、景観、技術、思想など多様な視点から建築を見つめ直す試みだ。
神勝寺 禅と庭のミュージアム(無明院)Photo: Keni’chi Suzuki
出展者には、安藤忠雄、伊東豊雄、妹島和世・西沢立衛(SANAA)、坂茂、石上純也、長坂常ら、国内外で高い評価を受ける21組の建築家・作家が名を連ねる。プリツカー建築賞を受賞した9人の建築家に焦点を当てた『ナイン・ヴィジョンズ展』(尾道市立美術館)や、藤本壮介、クラウズ・アオらによる『NEXT ARCHITECTURE』(神勝寺 禅と庭のミュージアム)など、建築を通じた未来へのヴィジョンが提示される。
また、長坂常が手がける「ラヴ・ハウス・オノミチ」では、スキーマ建築計画の設立27周年を記念し、現スタッフとOBOGによる活動報告と展示を実施。さらに、UMA/design farmとスタジオ・ムンバイによる『Architecture Voice from LOG』では、建築そのものが語りかける“声”に耳を傾けるインスタレーションが展開される。
福山と尾道を結ぶこの建築祭は、文化の継承と創造、地域再生、そして未来への希望を託す舞台となるだろう。
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