23日の債券相場は上昇が予想される。米国がイランの核施設を攻撃したことを受け、リスク回避の買いが先行しそうだ。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは、米国攻撃の初期反応としてリスクオフの債券買いが入ると予想する。もっとも、中東情勢の一段悪化で原油価格の上昇や円安は債券の売り材料になるとし、「あすに20年国債入札を控えていることは、20年債の発行減額が事前報道より増えたという買い材料をやや後退させそうだ」と言う。

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  同氏の新発10年物国債利回りの予想レンジは1.37-1.415%(20日は1.395%で終了)、先物中心限月9月物は139円25銭-139円65銭(同139円43銭)。

  先物夜間取引で9月物は20日の日中取引終値比3銭安の139円40銭で終えた。20日の米10年国債利回りは前営業日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低い4.38%程度に低下した。

長期国債先物中心限月の夜間取引推移

 

 

  財務省は20日、国債市場特別参加者(プライマリー・ディーラー、PD)会合を開き、2025年度の国債発行計画の変更案を提示した。20年-40年の超長期債の年間発行額を計3兆2000億円減額する。20年債の減額は事前報道の1000億円から2000億円に上乗せされた。全体の減額幅は事前報道を9000億円上回った。

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