イスラエルとサウジアラビアの株式相場が22日に上昇している。米国によるイランの核施設攻撃で地政学リスクが高まる中でも、中東市場では銀行株主導で株価が堅調に推移している。
イスラエル株の指標、テルアビブ35種指数はドバイ時間午前11時8分(日本時間同日午後4時8分)時点で1.2%上昇。ハポアリム銀行が上げを主導した。サウジのタダウル全株指数も1%高。
こうした中東市場の初期の反応をよそに、世界の投資家は市場の動揺に備えており、週明け23日に安全資産に資金が殺到する可能性を排除していない。先週、米国がイスラエルの対イラン攻撃に加わるかどうかについて「2週間以内に判断する」としていたトランプ米大統領が、議会承認なしでイラン核施設への攻撃を命じたことから、市場には衝撃が走っている。
市場関係者らはイラン側の反応に注目しており、石油・天然ガス輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖や、中東における米国資産への攻撃の可能性を警戒している。
テリマーのストラテジスト、ハスナイン・マリク氏(ドバイ在勤)は「市場は戦争が他国に拡大するかどうかを注視しているが、現時点ではその証拠は見られない」と指摘。「好意的な見方をすれば、米国の介入は戦争終結を早める可能性がある。ただし、それはまだ分からない」と述べた。
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原題:Israel, Saudi Stocks Rise as Traders React to US Attacks on Iran(抜粋)

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