ロシアの鉄鋼大手セベルスタリのアレクサンダー・シェベレフ最高経営責任者(CEO)は、国内の鉄鋼需要の落ち込みで一部の鉄鋼生産業者が生産停止を余儀なくされる恐れがあるとの見方を示した。景気が低迷する中で建設活動が鈍化している。
シェベレフCEOは国営テレビ局ロシア24のインタビューで、需給の「バランスを取る措置として、ロシア国内の一部金属生産設備の稼働停止も排除できない」と述べた。
同氏によると、経済活動のバロメーターである国内の鉄鋼需要は今年、10%減少し約3900万トンにとどまる見通し。これは一部産業の全体の年間消費量に匹敵するほどの大幅な落ち込みだという。
鉄鋼価格は数年ぶりの低水準にあり、ルーブル高が輸出競争力を損なっていると同氏は指摘。こうした環境下では、多くの鉄鋼メーカーが採算ラインぎりぎり、あるいは赤字で操業している。
セベルスタリのトップによるコメントは、ロシア経済が直面する厳しさを浮き彫りにしている。2022年のウクライナ侵攻開始以降、軍需支出の急増が経済成長を下支えしてきたが、ひずみの兆しが表れ始めている。
ロシア中央銀行はインフレ抑制と過熱する経済の沈静化を目的に24年に数回の利上げを実施。これが景気減速を招き、レシェトニコフ経済発展相は19日、ロシアが景気後退の瀬戸際にあるとの見解を示した。
ロシア中銀のデータでは、ルーブルは対ドルで約23%上昇しており、石油をはじめとする資源輸出のルーブル建て収入が減少している。シェベレフ氏は、輸出環境を改善するには為替は1ドル=90〜100ルーブルが望ましいと語った。ロシア中銀が18日に公表した為替レートは1ドル=78.72ルーブル。
それでも、シェベレフ氏はセベルスタリが生産量および計画中の投資の維持を目指す方針だと述べた。
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原題:Top Russian Steelmaker Sees Risk of Shutdowns as Economy Slows(抜粋)

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