欧州連合(EU)は、公的機関が医療機器を調達する契約に中国企業がアクセスすることを制限する。中国が欧州企業に制約を課していることに対抗する。
対象となるのは、500万ユーロ(約8億4000万円)を超える契約。事情に詳しいEU当局者によると、中国企業は公的契約全体の約6割に上る1500億ユーロの調達分野にアクセスできなくなる。成約案件でも中国製品の使用割合は50%以下に制限される予定だという。
制限措置の対象はマスクやスキャン装置、医療用ロボットなど大きさにかかわらず全ての医療機器となる。一方で、全体の96%を占める500万ユーロ未満の契約は制限から外れる。民間病院による医療機器の購入も対象外。
この措置はEUが公共調達における相互主義の促進を目的として2022年に導入した「国際調達措置(IPI)」に基づく初めての例となる。
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EUの行政執行機関、欧州委員会は声明で、15-23年に中国の対EU医療機器が倍以上になったと説明した。
一方で、匿名を条件に話した当局者によると、欧州の企業が中国の公共調達市場にアクセスするのに障壁を抱えているという懸念があり、今回の措置に至ったという。
欧州各国は、中国政府が鉄鋼や半導体などの過剰生産や不公平な補助金、自国市場へのアクセス制限といった不均衡の是正に取り組んでいないと不満を示してきた。
欧州委のフォンデアライエン委員長は今週、中国の世界貿易機関(WTO)との関わり方が、G7が共通して抱えている貿易や経済問題の根源だと批判している。
中国政府は、6月初旬にEUがこの制限措置を圧倒的多数で承認した際に保護主義的だと批判。中国商務省は自国企業の権益を守るため対抗措置を講じると表明している。
原題:EU to Restrict China’s Access to Medical Device Procurements(抜粋)

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