1世紀以上におよぶアルファ ロメオの歴史のなかで、初の量産型SUVとして開発された「ステルヴィオ」。今回その最新モデルに、レーシングドライバーのケイ・コッツォリーノさんが試乗した。
流麗なラインを描く「ステルヴィオ」のエクステリアは、アルファ ロメオのデザイン哲学とイタリアの美意識に基づいて仕立てられている。
Cd値(空気抵抗係数)0.32というボディーの空力性能は、「ステルヴィオ」の走りの良さにもつながっている。
車内で操作系のフィーリングを確かめるケイさん。「ステルヴィオ」のそれには、イタリア車らしい“ドライバーをその気にさせる感触”があると語る。
ケイ・コッツォリーノ
Kei Cozzolino
東京・神楽坂で老舗イタリアンレストランを営むイタリア人の父と日本人の母を持ち、国際的に活躍するレーシングドライバー。2025年は国内最高峰レースのSUPER GTや、欧州のロレックス デイトナ24時間耐久レースに参戦。プレミアムブランドの新車発表会や試乗会では、メーカー公認インストラクターを務める。実業家としても活躍中。
試乗車の仕様は「ヴェローチェ」。「ステルヴィオ」にはこのほか「スプリント」「トリブート イタリアーノ」など複数のグレードがラインナップされる。
レザーダッシュボードや本革巻きステアリングホイールで構成されるインテリア。鮮やかなレッドのシートと相まって、高級感を醸し出す。
シフトセレクター周辺には、インフォテインメントシステムのコントローラーや「ALFA DNAドライブモードシステム」のセレクターなどが美しくレイアウトされている。
6Wayの電動調節機構を持つ「スポーツレザーシート」には、ランバーサポートやシートヒーターも備わる。ヘッドレストにエンボス加工されたエンブレムは、マニア心をくすぐるディテールだ。
「ステルヴィオ」の国内販売は、限定モデルを皮切りに2018年6月にスタート。以来7年がたった今、その完成度は最高潮に高まっている。
「ステルヴィオ」の電子制御式4WDシステム「Q4」は基本的にリア駆動で、状況に応じてフロントに最大50%のトルクを配分する。そのドライブシャフトが軽量・高剛性なカーボン製であるのも、同モデルの特徴のひとつである。
ケイさんは「ステルヴィオ」の走りの美点のひとつに「路面から伝わるインフォメーションの正確さ」を挙げる。「そんなところがレーシングカーっぽい」とも。
「ステルヴィオ2.0ターボQ4ヴェローチェ」のエンジンルーム。縦置きされる2リッター直4ガソリンエンジンは、最高出力280PSを発生する。
「ステルヴィオ2.0ターボQ4ヴェローチェ」は機械式LSDを装備。電子制御のアクティブサスペンションや4WDシステムと相まって、優れたコーナリング性能を実現している。
メーターパネルは現代的な12.3インチの液晶タイプ。それに、往年のアルファ ロメオ車をモチーフとしたデザインのメーターバイザーが組み合わされている。
市街地を駆け抜ける「ステルヴィオ」。同モデルにはカーナビを含むインフォテインメントシステムのほか、現代の先進運転支援システムがフル装備されている。
「ステルヴィオ」のフロントフェイスは2023年にリファインされ、一段と精悍(せいかん)さを増している。3連のデイタイムランニングランプが印象的なヘッドランプには、高機能な「プロジェクターベンディングライト・ハイビーム」も含まれる。
リアシートは4:2:4の3分割可倒式。乗車人数と積載する荷物に応じて、多様なアレンジが可能となっている。
キャビン後方には、満乗車時でも525リッターという広い荷室が確保される。積載容量は、荷室内のリリースレバーを使って後席の背もたれを倒すことで、さらに拡大できる。
ボディーカラーはグレードにより最大5色をラインナップ。今回試乗した「ヴェローチェ」では写真の「アルファ ホワイト」のほかに、「アルファ レッド」「ヴェスビオ グレー」「ブルカノ ブラック」「ミザーノ ブルー」が選べる。
最新の「ステルヴィオ」の試乗を終えて、その乗り味について楽しそうに話すケイさん。家族思いで知られるイタリアと縁の深い彼は、このSUVはファミリーユースにも向いているとほほ笑んだ。
アルファ ロメオ・ステルヴィオ2.0ターボQ4ヴェローチェ
今回試乗した「ステルヴィオ2.0ターボQ4ヴェローチェ」は5ホールデザインの大径21インチホイールを装着する。鮮やかな赤のブレーキキャリパーも目を引く。
今回試乗した「ステルヴィオ2.0ターボQ4ヴェローチェ」の燃費性能は、WLTCモードで10.9km/リッター。クリーンディーゼル搭載モデルでは15.4km/リッターを記録する。
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