カナダのカーニー首相は19日、鉄鋼・アルミニウムの世界的な過剰生産能力と不公正な貿易に伴うリスクに対処するため、関税措置を近く導入する方針であると記者団に明らかにした。6日撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)
[オタワ 19日 ロイター] – カナダのカーニー首相は19日、トランプ米大統領と30日以内に幅広い貿易協定で合意できない場合、米国製の鉄鋼・アルミニウムに対する報復関税を引き上げる可能性があると明らかにした。
トランプ大統領は今月3日、米国が輸入する鉄鋼・アルミ製品にかける追加関税を2倍の50%に引き上げると表明。同措置は米国への最大の鉄鋼・アルミ輸出国であるカナダにとって打撃となる可能性がある。カーニー氏は16日、米加両国が来月21日までに新たな経済・安全保障協定を締結するよう取り組むことでトランプ氏と合意したと明らかにしていた。
カーニー氏は19日の記者会見で「7月21日に米国製の鉄鋼・アルミ製品に対する既存の報復関税率を、同国との広範な貿易協定の進展に見合った水準に調整する」と述べた。
新たな経済・安保関係構築に向けた協議の進展を見守りたいとして、トランプ氏による今月の鉄鋼・アルミ関税引き上げに直ちに対抗することは控えた。
カナダは3月13日、126億カナダドル相当の鉄鋼製品や30億カナダドル相当のアルミ製品に25%の報復関税を課した。
19日の発表の一環として、新たな調達ルールも導入する。これにより、カナダの生産者と無関税の相互アクセスを持つ貿易相手国は、連邦政府の鉄鋼・アルミ調達で競うことが可能になる。
カーニー氏は「国内市場を安定させ、有害な貿易迂回を防ぐ」ため、自由貿易協定(FTA)を締結していない国からの鉄鋼製品の輸入に対し、2024年の輸入量を基準とした新たな関税割当制度(TRQ)を設けると表明した。
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