戦時中に起きた水没事故で、183人が犠牲になった山口県宇部市の海底炭鉱「長生炭鉱」で、遺骨を探すための潜水調査が19日も行われ、遺骨は見つからなかったものの、これまでで最も奥に進むことができたということです。
調査は、来月以降も予定されています。
宇部市の「長生炭鉱」では、戦時中の1942年に坑道が水没する事故が起き、朝鮮半島出身の136人を含む183人が亡くなっていて、市民団体が去年から坑道に残された遺骨を探す潜水調査を行っています。
19日までの2日間は、海に突き出た排気筒の中に先月新たに見つかった横向きの穴から、専門のダイバーが入っての調査が行われました。
ダイバーによりますと、19日は、18日よりもさらに奥まで進みましたが、遺骨は見つかりませんでした。
調査の中では、排気筒から200メートルあまり進んだところに二手に分かれた通路が見つかり、事故が起きたとみられる坑道につながる可能性があるということです。
調査は、来月以降も予定されていて、準備を整えたうえで、さらに先に進みたいとしています。
調査を行ったダイバーの伊左治佳孝さんは「初めて踏み入れた場所でしたが、次はさらに進むことができると思います」と話していました。
「長生炭鉱」をめぐっては、遺骨調査への支援を求められた国が「安全性に懸念があるが、対応を検討していく」として、鉱山や潜水などの専門家への聞き取りを行っています。

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