2025.03.09

ユニークな美術館と劇場の一体施設が20周年

島根県益田市のグラントワ(島根県芸術文化センター)が今年、開館20周年を迎えます。グラントワは全国的にも珍しい美術館と劇場が一体になった建物で、島根県立石見美術館と島根県立いわみ芸術劇場の複合施設です。開館以来、石見地域の芸術文化拠点として活発に発信を続けています。内藤廣氏の設計でも名高く、石州瓦に覆われたユニークな外観で知られます。美術館、劇場とも20周年を記念した様々なイベントや展覧会が予定されています。
◇(参考記事)島根県芸術文化センター「グラントワ」 建築家・内藤廣さんと語る 石見に残る日本人の精神

劇場サイドでは「しまね伝統芸術祭」

劇場サイドでは「しまね伝統芸能祭」を開催。グラントワと松江市の島根県民会館が中心となり、島根県内の公立文化施設と連携し県内各地で島根が誇る神楽をはじめとする伝統芸能の公演などを開催するものです。

オープニング公演は「渡来バード、ドライバー」

そのオープニングとして、4月27日(日)にグラントワで「渡来バード、ドライバー」という創作公演が上演されます。出演は、画家の中山晃子さん、音楽家の大口俊輔さん、小鼓の福原千鶴さん、音楽家の志人さんの4名です。

この4名が、今年度、事前に島根県の西部・石見地方に滞在し、多様な伝統芸能の原点である自然・風土・生活文化についてリサーチを重ねたのですが、

そのリサーチから得たものを素材として新たな作品として創造するのがこの「渡来バード、ドライバー」という公演です。

※本図は構想段階のイメージ図です。実際の舞台とは異なる場合があります。

中庭広場の水盤に巨大なスクリーンを設置し、画家の中山晃子さんがスクリーンと水盤に流動する色彩を投影。そこに音楽家の大口俊輔さんの音楽装置、福原千鶴さんの小鼓、志人さんの声が奏でる音楽が加わり、中庭広場が幻想的な世界へと変わります。

グラントワ開館20周年記念
しまね伝統芸術祭 2025 オープニング公演
渡来バード、ドライバー

日時:2025年4月27日(日)日没後 ※日没時刻18:50ごろ

会場:島根県芸術文化センター「グラントワ」中庭 水盤(島根県益田市有明町5—15)

出演者:大口俊輔(音楽家)、福原千鶴(小鼓奏者)、志人(語部)、中山晃子(画家)

料金:入場無料/申込不要/全席自由

主催:島根県、(公財)しまね文化振興財団(いわみ芸術劇場/島根県民会館)

共催:芸術文化とふれあう協議会

アクセス:石見交通バス「グラントワ」前下車徒歩1分、JR益田駅から徒歩15分、萩・石見空港からJR益田駅まで連絡バス約15分

グラントワHP:https://www.grandtoit.jp/

美術館では「石見の祈りと美ー未来へつなぐ中世の宝ー」

一方、美術館では「渡来バード、ドライバー」公演の前日、4月26日(土)に開館20周年記念企画展「石見の祈りと美ー未来へつなぐ中世の宝ー」が開幕します。当館だけの開催で、国指定重要文化財16点を含む中世の益田・石見ゆかりの貴重な美術工芸品が大集結します。

開館20周年記念企画展「石見の祈りと美ー未来へつなぐ中世の宝ー」

会期:2025年4月26日(土)~6月16日(月)
前期:4月26日(土)~5月19日(月)
後期:5月21日(水)~6月16日(月)

会場:島根県立石見美術館 展示室D(島根県芸術文化センター「グラントワ」内、島根県益田市有明町5—15)

開館時間:9:30~18:00(展示室への入場は17:30まで)

休館日:毎週火曜日(4月29日、5月6日は開館)、4月30日(水)、5月7日(水)

観覧料:<当日券> 一般 1,300円(1,050円)、大学生 600円(450円)
<前売券> 一般 1,100円、大学生 500円
高校生以下無料
※()内は20名以上の団体料金
※児童・生徒(小中高生)および学校教育活動による観覧の引率者は観覧料が無料になります。(要事前申請)
※各種障がい者手帳、被爆者健康手帳をお持ちの方およびその介助者(1名様まで)は入場無料

前売券発売日:2025年4月2日(水)10:00
※前売券は、グラントワ総合案内カウンターおよびオンラインチケット「シマチケ」(WEBサイト)でお求めになれます。

主催:島根県立石見美術館、しまね文化振興財団、山陰中央新報社、TSKさんいん中央テレビ

協力:東京大学史料編纂所

後援:芸術文化とふれあう協議会、益田市、萩市

展覧会特設サイト:https://www.grandtoit.jp/museum/prayer_and_beauty_iwami

(美術展ナビ編集班 岡部匡志)

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