イランとイスラエルの攻撃の応酬が依然として続く中、イランの最高指導者ハメネイ師はトランプ米大統領が17日に要求した無条件降伏を拒否する姿勢を示した。写真はイスラエルの攻撃を受けて立ち上る煙。テヘランで18日撮影(2025年 ロイター/Majid Asgaripour/WANA (West Asia News Agency) via REUTERS)
[ドバイ/エルサレム 18日 ロイター] – イランとイスラエルの攻撃の応酬が依然として続く中、イランの最高指導者ハメネイ師はトランプ米大統領が17日に要求した無条件降伏を拒否する姿勢を示した。トランプ氏はイランに対し米国の忍耐は限界に近づいていると警告する。紛争開始から6日目となる18日も、交渉による解決の糸口は見えない。
ハメネイ師は18日、トランプ大統領がイランに降伏を求めたことに対し、米国のいかなる攻撃も「取り返しのつかない重大な結果」をもたらすと警告。トランプ大統領の無条件降伏の要求は受け入れないとし、イランに平和も戦争も押し付けることはできないと言明した。一方、トランプ氏は18日、イスラエルのイランに対する爆撃作戦への参加を巡り、「今と1週間前とでは大きな違いがある。私がこれから何をするか、誰も分からない」と明言を避けた。その上で、イラン側には交渉の意思があり、接触はあったものの、「協議するには非常に遅すぎる」と感じていると述べた。ハメネイ師が降伏要求を拒否したことについては、「幸運を祈る」と答えた。イスラエル軍当局者は、50機の戦闘機が夜間にテヘランの約20カ所を攻撃したと明らかにした。ミサイルの原材料、部品、製造システムを生産している施設も含まれていると説明した。トランプ大統領は、イラン・イスラエル紛争を巡り、当初の迅速な外交的終結を目指す考えから米国参戦の可能性を示唆する姿勢に転じている。17日に行った投稿では、ハメネイ師を殺害する差し迫った意図は「今のところ」ないとしつつも、「われわれは、いわゆる『最高指導者』がどこに隠れているか正確に把握している」と言及。同時に「民間人や米兵に対するミサイル攻撃は望んでいない。われわれの忍耐は限界に達している」とも投稿した。内部協議に詳しい情報筋によると、トランプ大統領とそのチームは、イスラエルに加わってイランの核施設への攻撃を行うことも含めた選択肢を検討していたもよう。ヘグセス米国防長官は18日、米軍は戦争と平和の問題を巡ってトランプ米大統領が行ういかなる決定も「実行する準備がある」との認識を示した。
イラン当局の報告によると、イスラエルの攻撃によりこれまで少なくとも224人が死亡し、その大半が民間人だという。イスラエルは空爆によりハメネイ師の最側近らを次々と殺害しており、犠牲者の中にはイランの軍事や安全保障部門の中枢を担う幹部が含まれていた。ハメネイ師の意思決定に詳しい5人の関係筋によれば、この結果、戦略上の誤判断リスクが高まっているという。
イランもイスラエルへのミサイル攻撃を繰り返しており、13日以降に発射したミサイルは約400発に上っている。
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