G7、ウクライナ巡る共同声明断念 米国が抵抗=カナダ当局者

主要7カ国(G7)議長国カナダは、米国の抵抗を受け、今回のG7首脳会議でロシア・ウクライナ戦争を巡る力強い声明を出す計画を断念した。(2025年 ロイター/Amber Bracken)

[カナナスキス(加アルバータ州) 17日 ロイター] – 主要7カ国(G7)首脳会議は17日、ウクライナ支援に関する共同声明を見送った。カナダ当局者によると、米国の抵抗を受け、ロシア・ウクライナ戦争を巡る力強い声明を出す計画は断念。代わりに、議長国であるカナダのカーニー首相が、制裁を通じロシアへの圧力を強化し、米国主導の和平努力を支持する内容の声明を発出するという。

ウクライナのゼレンスキー大統領は同日、G7サミットに参加し、対ロシア戦争を巡る一段の支援を強く要請した。

カーニー首相は、カナダがウクライナに20億カナダドル(14億7000万米ドル)の新たな軍事支援を提供すると表明。さらに、ウクライナの首都キーウ(キエフ)など各地で17日未明、ロシアによる大規模攻撃があり、少なくとも16人が死亡し、多数が負傷したことは、「ウクライナとの完全な連帯の重要性を強調するものだ」と述べた。

ゼレンスキー大統領はテレグラムへの投稿で、G7首脳に対し「外交は今や危機的な状況にある」と伝え、紛争の終結に向け「真の影響力を発揮するよう」トランプ米大統領に引き続き働きかけるよう要請したと明らかにした。

ゼレンスキー大統領は追加支援を巡り、トランプ大統領と会談することを望んでいたものの、トランプ大統領が16日、中東情勢を理由に、G7サミットの日程を切り上げて帰国したため、会談は実現しなかった。

ウクライナに関する共同声明は見送られたものの、G7首脳らは重要鉱物や人工知能(AI)、量子コンピューティング、山火事など6つの分野に関する共同声明で合意した。

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