16日の欧州債券市場は、序盤の下落を取り戻して上昇した。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が「イランがイスラエルとの緊張緩和を望んでいる」と報じたことから、原油価格が下落し、地政学的リスクによる世界的なインフレ圧力への懸念が和らいだためだ。
欧州各国の国債イールドカーブはおおむね小幅にブル・スティープ化した。短期金融市場は、欧州中央銀行(ECB)による追加利下げの観測を強めており、年内にもう1回、0.25ポイントの利下げが行われるとの予測を完全に織り込んでいる。
ベルギー債はフィッチ・レーティングスが13日にベルギー債の格付けを「AA-」から「A+」へと引き下げたことが影響し、他の欧州債に比べてパフォーマンスが劣後した。
欧州株は上昇した。イスラエルとイランの対立が域外経済に及ぼす影響は限定的との見方が広がり、投資家心理が改善した。
ストックス欧州600指数は0.4%上昇し、13日の下落分の一部を取り戻した。上昇を主導したのは旅行、銀行、通信株で、一方で医療関連株は下落した。5月の中国の小売売上高が、予想に反して伸びが拡大したことで、高級ブランド株には追い風となった。
「グッチ」や「イヴ・サンローラン」などを傘下に持つケリングの株価は12%高と、2008年以来の大幅上昇を記録した。経営難に陥っているグッチの立て直しに向け、ルノーのトップを務めたルカ・デメオ氏を次期CEOに迎えるとの報道が好感された。一方、デメオ氏の退任が伝えられたルノーの株価は8.7%下落し、2022年以来の下げ幅となった。
6月16日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)株終値前営業日比変化率ストックス欧州株600546.91+1.97+0.36%英FT1008,875.22+24.59+0.28%独DAX23,699.12+182.89+0.78%仏CAC407,742.24+57.56+0.75%債券直近利回り前営業日比独国債2年物1.84%-0.02独国債10年物2.53%-0.01英国債10年物4.53%-0.02
原題:European Bonds Gain With Focus on Oil Prices; End-of-Day Curves、European Stocks Gain as Mideast Conflict Contained; Kering Soars(原題)
これはブルームバーグ・オートメーションを利用して作成した記事です。
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