イランからイスラエルのテルアビブに撃たれたミサイル(2025年6月14日、写真:AP/アフロ)
(松本 太:一橋大学国際・公共政策大学院教授、前駐イラク大使、元駐シリア臨時代理大使)
イスラエル軍による空爆を受けたイランが、6月13日夜(日本時間14日未明)、報復としてイスラエルのテルアビブにミサイル攻撃を行いました。
「立ち上がるライオン」作戦と名付けられた、6月13日未明(現地時間)に始まったイスラエルによるイラン攻撃は、とうとうパンドラの箱を開けてしまったようです。それは、紛争の拡大という奈落に繋がっている以上、私たちは嫌でもその行き先を見極める必要があります。
印のついた場所がイスラエルのテルアビブ
イスラエルは、予想されていたイラン核施設や軍事施設への攻撃を行ったのみならず、ハマースやヒズボッラーの殲滅と同様の手法で、ホセイン・サラミ革命防衛隊司令官やモハンマド・バーゲリ・イラン国軍参謀総長といったイランの軍事力を率いる複数のトップと、フェレイドゥーン・アッバースィ博士他の核開発を担ってきた最高レベルの専門家を排除しました。
この攻撃は、イランにとって屈辱的であったことは間違いありません。ハメネイ最高指導者は、すぐさま以下の声明を発出し、イスラエルへの報復を誓っています。
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