長谷部誠(41歳)は現在開催中の大阪・関西万博でドイツパビリオンのゲストとして登場し、取材会を含めて「ブンデスリーガのレジェンド」として現役時代と今を語った。当地で送るコーチ生活とは。〈NumberWebレポート/全2回。第1回からつづく〉
堂安と佐野の快挙…「簡単なことではないです」
「シーズンを通して戦い続けるというのは、簡単なことではないです」
6月11日、大阪・関西万博でのイベント後、長谷部誠はドイツでの体験をもとにこう口にした。2024-25シーズンのブンデスリーガで、全試合出場を果たした日本人選手が2人同時に現れた――その快挙の意義について筆者は質問した。
全試合出場を果たした1人目が、堂安律だ。彼は2020-21シーズンのビーレフェルト時代にも達成している。これは1982-83シーズンの奥寺康彦以来、実に39シーズンぶりの快挙で、堂安のタフさを雄弁に物語る。そして24-25シーズンに再び達成した。複数回の達成は日本人として唯一無二の記録である。
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今季の堂安はそれ以外にも目覚ましい活躍を見せた。キャリアハイとなるリーグ戦10ゴール8アシストとともに見逃せないのが、攻撃的なポジションとしては異例の「6位のデュエル勝利数」だ。以下に紹介するフライブルクのシュスター監督の証言ほど、堂安の魅力が伝わるものはない。
「多くの人が堂安の攻撃の素晴らしさについて触れるが、私が強調しないといけないのは、彼がどれだけハードワークをして、どれほど守備をした上で、それをやっているかだ」
堂安は今夏の移籍がほぼ確実になっており、かねてからオファーを送り続けてきたフランクフルトが一歩リードしていると見られる。動きがあるとすれば6月16日の月曜以降になりそうだが、果たしてどうなるだろうか――。
「良い選手の条件は“怪我をしない”こと」
そしてもう一人、全試合出場を果たした選手がいる。
マインツ所属の佐野海舟である。渡欧1年目でフル試合出場を果たしただけでなく、全試合でスタメン出場を果たしている。実は堂安ですら前述した2シーズンで途中出場がそれぞれ1試合だけあり、全試合スタメンは奥寺に並ぶ2人目の快挙でもあった。
佐野は第1節と第3節を除いてフル出場。アディショナルタイムを加えた総プレー時間はフィールドプレーヤーの中で2位。走行距離は堂々のリーグトップである。
ブンデスリーガの後輩たちが達成した記録について、通算384試合出場の長谷部はどう感じているのか。直接尋ねてみると、こんな答えが返ってきた。
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