犯罪の被害者やその家族への支援などを定めた「犯罪被害者等支援条例」について、県内の4つの自治体が来年度中の施行を目指して検討を進めていることがわかりました。
「犯罪被害者等支援条例」は、犯罪の被害者やその家族の相談に応じる窓口を設けることなどを定めた条例で、ことし4月、県内の市町村では初めて盛岡市で施行しました。
NHKが盛岡市以外の32の市町村に取材したところ、滝沢市、二戸市、花巻市、紫波町の4つの自治体が、来年度中の施行を目指して検討を進めていることがわかりました。
一方で、「検討しているものの施行の時期は未定」と答えたのが19の市町村、「まだ検討していない」と答えたのが9の町村でした。
自治体の担当者からは、「人手不足で割ける職員がいない」とか、「犯罪被害者からの相談が少ないため厳しい財政状況の中で予算を工面する根拠が乏しい」といった意見が聞かれました。
警察庁の統計では、去年4月の時点で、全国のおよそ半数の自治体が条例を制定しています。
犯罪被害者の支援に詳しい白梅学園大学の尾崎万帆子准教授は、「人手が足りない自治体は、福祉分野の職員が被害者支援を兼任するなど職員の配置の工夫も考えてみてほしい。また、財政的な面では、自治体が十分な支援を行えるよう国や県による助成が必要だ」と指摘しています。
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