IAEA理事会、イラン非難決議採択 核不拡散義務に違反

 6月12日、国際原子力機関(IAEA)は定例理事会で、イランが核不拡散義務に違反しているとして同国を非難する決議を採択した。写真はIAEAのロゴ。2021年6月、ウィーンで撮影(2025年 ロイター/Leonhard Foeger)

[ウィーン/ドバイ 12日 ロイター] – 国際原子力機関(IAEA)は12日の定例理事会で、イランが核不拡散義務に違反しているとして同国を非難する決議を採択した。これに対しイランは対抗措置を発表し、中東情勢の緊張が高まっている。

決議は米英仏独が提出した。理事会に出席した外交筋によると、賛成19カ国、棄権11カ国、反対3カ国(ロシア、中国、ブルキナファソ)で採択された。

IAEAは5月31日に加盟国に送付した報告書で、イランが未申告の核施設について、タイムリーに十分な説明をしておらず、IAEAとの保障措置協定の下で同国が負う義務を順守していないと指摘していた。

IAEA理事会がイランの核不拡散義務違反を正式に認定するのは約20年ぶり。これにより国連安全保障理事会への報告の可能性が高まっている。

IAEA当局者は、イランが対抗措置として新たなウラン濃縮施設を開設する計画を通告してきたと明らかにした。イランは施設の場所など、それ以上の詳細は明らかにしていないという。

イラン国営テレビは、これはIAEAの決議を受けて講じられた複数の措置の一つだと報じた。

イラン原子力庁のカマルバンディ報道官は国営テレビに対し、イランは2つの対抗措置をIAEAに通告したと述べた。同国中部フォルドウのウラン濃縮施設の遠心分離機を第1世代から第6世代に改良し、「濃縮ウランの生産を大幅に増加させる」計画がそのうちの一つだと説明した。

オマーンのバドル外相は12日、イランの核開発問題を巡る米イラン高官による6回目の協議が15日にオマーンで開催されると発表した。

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