2024-25シーズンを終えた欧州サッカーは移籍市場の時期に入った。1年後に北中米W杯を控える中、サッカー日本代表の主力はどんな進路を取るのか? 各国番記者・情報筋がシーズン採点とともに“移籍の噂”の信憑性を本音で記す。〈翻訳・構成:井川洋一:NumberWebレポート/全2回。第2回につづく〉

 久保建英の2024-25シーズンを表現すれば、こうなるだろうか。個の能力を遺憾なく発揮し、チームに勝ち点をもたらした時もあったが、思うようなパフォーマンスができず、不満を溜め込んだ期間もあった。特に終盤の大事な時期に、周囲の期待に応えられず、チームは欧州カップ戦出場権を逃している。

 6月4日に24歳になり、W杯最終予選インドネシア戦でキャプテンマークを巻きゴールで応えた日本代表アタッカーのレアル・ソシエダでの3年目は、苦い後味を残すものとなった。

 イマノル・アルグアシル監督が率いるチームは序盤から調子が上がらず、リーグ戦10節までに奪った白星はたったの3つ。だがそんな苦しい時期に、久保は何度もチームを救った。初勝利となった2節の敵地でのエスパニョール戦では、67分に投入され、13分後に試合唯一の得点を挙げているし、2勝目となったホームでのバレンシア戦では開始早々に先制点を決めている。

 チームはそこから徐々に勢いに乗り、第19節までに5勝を挙げて、7位に浮上。久保は12節の敵地でのセビージャ戦で先制点を記録し、19節のホームでのビジャレアル戦ではこの試合唯一のゴールをマークした。リーグ前半戦に彼が挙げた4得点は、どれも大きな価値のあるものだった。久保の活躍がなければ、チームがこの順位でシーズンを折り返すことはなかっただろう。

 ところがそこを頂点に、後半戦は順位も調子も落ちていった。ターニングポイントを挙げるなら、21節のヘタフェ戦となるだろう。全体的に覇気がなく、ホームで0-3と完敗すると、試合後に久保はDAZNのインタビューでこう話した。

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