ロシアはウクライナのキーウとオデーサに大規模なドローン(無人機)攻撃を仕掛け、凄惨な破壊の痕跡を残した。これを受けてゼレンスキー大統領は、戦争終結に向けてロシアへの圧力を強化するよう求めた。

  ゼレンスキー氏によれば、この攻撃により死者が出たほか、少なくとも13人が負傷した。ロシアのドローンはオデーサの歴史的旧市街にある救急ステーションを破壊し、産科病棟や住宅施設を損傷させたと、現地当局は発表した。

relates to ロシア、キーウとオデーサを大規模攻撃-北朝鮮製ミサイルも使用

ロシアの攻撃を受けたオデーサ市街(10日)

写真はオデーサ市のトゥルハノフ市長が提供

  一方、キーウは火災や撃墜したドローンの破片による煙に包まれた。ロシアのドローンは集合住宅やビジネスセンター、薬局、倉庫を襲い、複数の地区で火災が発生したと、クリチコ市長が明らかにした。

  同市長によると、市内各地で数時間にわたり大きな爆発音が続いた。攻撃は午前0時過ぎに始まり、キーウでは空襲警報が5時間以上鳴り響いたと、RBCウクライナは伝えた。合計してロシアはドローン315機とミサイル7発を発射し、北朝鮮製の弾道ミサイルも使用されたと、ゼレンスキー氏はX(旧ツイッター)に投稿した。

  「平和のため、強力な圧力が必要だ」とゼレンスキー氏は述べ、「このようなロシアの攻撃に対し、世界が沈黙ではなく具体的な行動で反応することが重要だ」と訴えた。

Russian missile and Shahed strikes drown out the efforts of the United States and others around the world to force Russia into peace. For yet another night, instead of a ceasefire, there were massive strikes with Shahed drones, cruise and ballistic missiles. Today was one of the… pic.twitter.com/t3uEzzoCsL

— Volodymyr Zelenskyy / Володимир Зеленський (@ZelenskyyUa) June 10, 2025

  ウクライナとロシアは先週トルコで開かれた和平協議で合意した戦争捕虜交換の第1陣を済ませたところだった。和平協議ではロシアが最大限の要求を崩さず、トランプ米大統領が即時停戦の主張を後退させる中で、戦争終結に向けた進展は見られていない。

  ゼレンスキー氏は10日公表されたハンガリーのオンラインメディア、バーラスとのインタビューで、「戦争終結を望んでいるが、それには双方の意思が必要だ。相手側にその用意がなければ、常に何らかの言い訳を持ち出してくる」と発言。「だからこそ、強力な仲介役を必要としている。ロシアが交渉で成立した合意をほごにできないようにするためにだ」と論じた。

  同氏はまた、和平協議での米国の役割に疑問を投げ掛け、「米国は現時点で強力な仲介役ではないようだ。ロシアは米国に交渉には来るなといい、米国はただそれに従って立ち去ってしまった」と指摘した。

原題:Russia Unleashes Massive Drone Attack Against Kyiv and Odesa (1)(抜粋)

(第6段落以降に情報を加えます)

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