インドでは、M&A(企業の合併・買収)を手掛ける上級ディールメーカーの報酬が、シンガポールや香港の同業を上回っていることが、ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の調査で分かった。世界の金融機関が高成長のインドで有能な人材を確保しようと報酬引き上げを進めている。

  調査によると、金融の中心であるムンバイや国際金融経済特区、GIFTシティーなどに勤務する投資銀行の責任者やディレクターの報酬は香港の同業者より24%、シンガポールより37%高い。人材紹介会社マイケル・ペイジの調査を基にBIが分析した。

  BIのシニアアナリスト、サラ・ジェーン・マームド氏の10日のリポートによれば、インドではバンカー報酬が前年比で9%余り増える見込み。香港とシンガポールでは4-5%増にとどまる見込みだという。リポートはコンサルティング会社エーオンのデータに基づく。

relates to インドのディールメーカー、報酬はシンガポールを37%上回る

 

Source: Michael Page, Persolkelly, Bloomberg Intelligence

  インド経済全体には世界的な貿易不安が影を落としているものの、投資には回復基調が見られる。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)など外国銀行が拡大を続けているほか、スイスのジュリアス・ベアはウェルスマネジメント事業の運用資産を3倍に増やすことを目指している。

  世界の通商政策が揺れる中、インドは米国の影響を比較的受けにくい市場として注目されている。

  M&Aの取引件数も増加傾向にあり、インドはプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社や政府系ファンド(SWF)から、さらに海外資本を呼び込むのに適した位置にあるとディールメーカーたちはみている。

 

原題:Top India Dealmakers Earn 37% More Than Singapore Peers (1)(抜粋)

WACOCA: People, Life, Style.