日光市の足尾銅山の歴史を伝える記念館が完成し、一般公開を前に9日、地元の住民向けの特別公開が行われました。
完成した「足尾銅山記念館」は、銅山を経営していた会社などがかつてあった銅山の事務所を復元する形で建て、9日は地元に住む40人余りが訪れて見学しました。
建物は2階建てで、明治時代に銅の生産量が日本一となり近代化を支えた銅山で使われていた道具や当時の様子を写した写真などが展示されています。
また、銅山からの鉱毒によって被害が出たことを伝えるブースも設けられていて、見学に訪れた人たちは展示を見ながら銅山の光と影の歴史を振り返っていました。
参加した80代の女性は「私たちが子どものころ、農作物などもすぐに枯れてしまう時代があったが、随分な努力があってここまできたのがわかった。両親が勤めていたので懐かしく見てきました。これを機会にこの地域が昔のように発展してくれたらうれしい」と話していました。
記念館の久能正之館長は「足尾銅山は公害問題のイメージがあると思うが、公害を除去するための新技術が生まれたのもこの場所で、光と影を知ってもらいたい」と話していました。
記念館の一般公開は、8月上旬からを予定しているということです。
【記念館の設立経緯】
記念館はかつて足尾銅山を経営していた会社グループの創立150周年の記念事業の一環で作られました。
日光市などによりますと、足尾地区の人口は銅山が繁栄していた大正時代のおよそ3万8000人から大きく減って現在は1200人ほどになっているということで、銅山を経営していた会社グループでは記念館を目当てに観光客が足尾を訪れることで地域の活性化に貢献したいという思いがあるということです。
記念館は「日本初の公害と言われる足尾銅山鉱毒事件のイメージだけでなくその後、公害を克服するために必要となった新しい技術が生まれた場所だと知ってもらい、観光資源のほか環境教育の場などとしても活用してもらいたい」としています。

WACOCA: People, Life, Style.