インドのモディ首相が月内にカナダで開催される主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席することが分かった。シーク教指導者の殺害事件を巡り対立していた両国の関係改善につながるか注目される。
モディ首相はX(旧ツイッター)への投稿で、カナダのカーニー首相からG7サミットへの招待を受けたことを明かした上で「サミットで会うことを楽しみにしている」とコメントした。また、深いつながりのある民主主義国家として、インドとカナダは相互尊重と共通の利益を元に協力していくとしている。
Glad to receive a call from Prime Minister @MarkJCarney of Canada. Congratulated him on his recent election victory and thanked him for the invitation to the G7 Summit in Kananaskis later this month. As vibrant democracies bound by deep people-to-people ties, India and Canada…
— Narendra Modi (@narendramodi) June 6, 2025
カナダ首相府もカーニー首相がモディ首相をG7サミットに招待したことを明かした。発表によると、両首脳は電話会談で、「深い人的結び付きと重要な商業的つながり」を含む両国間の長年にわたる関係について協議。「重要なのは、法執行機関の対話と安全保障上の懸念に対処するための協議継続で合意したことだ」とし、両首脳が「連絡を取り続けることで合意し、今月開催されるG7サミットで会うことを楽しみにしている」とした。
両国関係は23年にカナダで起きたシーク教指導者の殺害事件をきっかけに冷え込んだ。シーク教徒による国家「カリスタン」の分離・独立を積極的に提唱していたインド系カナダ人のハルディープ・シン・ニジャール氏(当時45)が射殺された事件に関して、当時首相だったカナダのトルドー氏はインド政府の工作員が首謀したと非難。インド政府はこの主張を「ばかげている」として、関与を否定していた。
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両国の貿易関係
カナダ・インド間の2024年の貿易額は120億ドル(約1兆7300億円)に過ぎない。米通商代表部(USTR)のデータによると、米・インド間の貿易額はおよそ1300億ドル、米・カナダ間は7000億ドル余りに上るが、トランプ米大統領による関税の影響で、カナダとインドの両国は米国以外との貿易強化を模索。そのため、今回の関係改善の動きにつながっている可能性がある。
カナダのシーク教徒団体「世界シーク組織」は、モディ首相の招待に衝撃を受け失望していると表明した。同団体は先月、カーニー首相に対しモディ首相を招待しないよう求める書簡を送っていた。書簡では、インド政府がカナダ国内のシーク教徒を弾圧している確かな証拠があると指摘していた。
同団体の法務顧問兼報道官、バルプリート・シン氏はインタビューで「これはわれわれのコミュニティーに対する完全な裏切りだ」とした上で、「トルドー氏はわれわれのコミュニティーから尊敬されていた。欠点もあったが、信念に基づいた立場を取っていた。しかし、カーニー氏は自身と政権にとって重要なのはドルだけだと示した。これは遺憾であり、カナダの価値観への裏切りだ」と非難した。
原題:Modi to Attend G-7 Summit in Canada in Sign of Warming Ties (1)(抜粋)
