6日の日本市場は超長期債が上昇(利回りは低下)。財務省による発行減額期待を背景に買いが優勢だ。米中の貿易協議進展への期待から円は対ドルで下落、株式は反発している。

  5日に実施された30年利付国債入札が弱い結果となり、財務省が7月から超長期債の発行を減額するとの期待が高まった。20日に予定される国債市場特別参加者(プライマリーディーラー、PD)会合に向けて、金利は抑制されやすくなっている。

  三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、「利回りが上昇すると発行減額幅が大きくなるとの観測から金利は上がりにくい構図になっており、超長期から長期債にかけて買いが入りやすくなっている」と述べた。  

  一方、超長期債が減額された場合に代わりに発行が増えるとみられる中期債は軟調となっている。

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債券・株式・為替相場の動き-午後2時1分時点長期国債先物6月物は前日比6銭安の139円29銭新発10年債利回りは横ばいの1.46%新発20年債利回りは一時4ベーシスポイント(bp)低い2.315%新発40年債利回りは一時5bp低い3.02%東証株価指数(TOPIX)は0.5%高の2769.44日経平均株価は0.4%高の3万7703円04銭円は対ドルでニューヨーク終値比0.2%安の143円85銭債券

  債券相場は、30年国債入札後に超長期債を中心に堅調となった地合いが継続。アクサ・インベストメント・マネージャーズの木村龍太郎シニア債券ストラテジストは、特に超長期債がしっかりしており、利回り曲線はフラット(平たん)化していると述べた。

  その上で、30年債入札では落札上位に欧州系証券が入ったことが注目だと同氏は指摘。「海外投資家は日本の国債利回り曲線やドル換算後の水準の高さに魅力を感じており、こうした需要が反映された結果だとすれば買いがしばらく続く可能性がある」とみる。  

株式

  東京株式相場は上昇。為替相場の円安傾向やトランプ米大統領が米中首脳会談でレアアース(希土類)について理解を深めたとしたことから、リスク選好の動きが広がっている。電機や機械、輸送用機器などの輸出関連株や鉄鋼が買われ、銀行など金融株も高い。

  三菱UFJアセットマネジメントの石金淳エグゼクティブファンドマネジャーは、米中の合意が成立すれば、他の国との交渉も自然と容易になり、日本にとってもポジティブな影響を与えるだろうと指摘。関税について過度に心配する必要はないということだと話した。

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  市場関係者は日本時間夜に発表される米国の雇用統計にも注目。米金融当局による利下げ再開のタイミングを探るため、労働市場に鈍化の兆しがあるかどうか見極めようとしている。

為替

  東京外国為替市場の円相場は1ドル=143円台後半に下落して推移。トランプ大統領と中国の習近平国家主席がさらなる貿易協議の実施で合意したことを受け、ドル買い・円売りが継続している。

  ふくおかフィナンシャルグループの佐々木融チーフ・ストラテジストは、トランプ大統領は7月4日の独立記念日に向け関税交渉で成果を出したいと考えているはずで、「短期的には交渉進展によるドル売りの巻き戻しが出やすくなる」との見方を示した。

  三菱UFJ信託銀行ニューヨーク支店資金証券室の横田裕矢シニアバイスプレジデントは、今週発表されたADP民間雇用者数が大幅に減少したこともあり、米国の雇用悪化に警戒感が強いと言う。ただ、雇用統計はADPと「あまり相関関係は強くない」とも話し、予想に反して強い内容になれば、ドルは144円台に乗せ「上方向の勢いが強まる」と予想した。

  米財務省は5日、外国為替報告書を公表し、貿易相手国・地域の為替政策の分析を強化する方針を示した。三菱UFJ銀行グローバルマーケットリサーチの井野鉄兵チーフアナリストは、「報告書は『日銀の金融政策引き締めは今後も継続されるべき』と指摘しており、潜在的な円高要因」との見方を示した。

この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。

(最終段落のコメンテーターの社名と氏名を訂正します)

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