2025年6月4日 16:16
兵庫県の斎藤知事は4日の定例会見で、兵庫県議会に提出される予定の『給与50%カットの条例改正案』に議会側から異論や反発の声が出ていることについて、「指摘は真摯に受け止めたい。私としては50%の減額措置をとることで、『組織の長』としての身の処し方をさせていただきたい」との見解を示しました。
■県議からは異論「どの事実の責任をとるのか」「辞職しかない」
先月公表された第三者委員会の報告書では、知事の“側近”だった井ノ本元総務部長が県議3人に対して、斎藤知事を告発した元県民局長の私的な情報を、一部を紙に印刷して見せ、一部を口頭で述べるなどしたと認定し、「漏洩は知事や元副知事の指示のもとに行われた可能性が高い」と指摘されています。
斎藤知事は情報漏洩の責任を「組織の長」としてとるとして、自身の給与を現行の3割カットから5割カットに引き上げるための条例案を6月議会に上程する方針を示しています。
一方で、議会側に示された条例案には、どの事実について責任を取るための案なのかが明記されていないことから、一部の県議からは「知事が漏洩を指示したかどうか明らかではない状況で、問題全体の責任を取るかのような条例案に賛成すべきかどうか判断ができない」といった指摘が上がっています。
また立憲系会派の「ひょうご県民連合」は、「給与カットでは済まない。県政の混乱を収めるには知事の辞職しかない」と主張し、条例案には反対する意向を示しているほか、共産党県議団も斎藤知事に辞職するよう申し入れを行っています。
■「県の管理責任」斎藤知事とともに“副知事も給与カット”条例案
斎藤知事は4日の会見で、「県職員が漏洩したということで、県が適正に管理すべきだったものであり、県の管理責任を強く感じている」との見解を改めて示しました。
条例案では、自身の給与とともに副知事の給与を現行の「15%カット」から「25%カット」に引き上げる案が示されていますが、会見で斎藤知事は、服部副知事についても条例改正により給与を一部カットする方針を明かしました。
一方で、議会側から給与カットへの異論が出ていることについて、「さまざまな指摘があると思うが、指摘は真摯に受け止めたい。私としては50%の減額措置として、『組織の長』としての身の処し方をさせていただきたい」と繰り返しました。
最終更新日:2025年6月4日 16:29
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