英国は借り入れと債務の削減に一層取り組むべき=OECD

 6月3日、経済協力開発機構(OECD)は、英国政府は借り入れと債務の削減に一層努力する必要があるとの見解を示した。写真はポンド紙幣を数える女性。2022年5月、ボスニア・ヘルツェゴビナのゼニカ市で撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ロンドン 3日 ロイター] – 経済協力開発機構(OECD)は3日、英国政府は借り入れと債務の削減に一層努力する必要があるとの見解を示した。英国のリーブス財務相は近く長期歳出計画を発表する。

OECDは英国について「金融政策スタンスは徐々に緩和されているため、財政面での慎重さが求められる」と指摘。「厳しく制約された予算政策と大幅な成長下方リスクに直面する中で、バッファー再構築の取り組みを強化するとともに、生産性向上のための公共投資を維持すべきだ」とした。

リーブス氏は、2029─30年度までに税収と恒常的な歳出を均衡させ、経済に占める政府の財政債務を減らすことなどを含めた自らに課した財政ルールに全力で取り組むと述べている。

OECDは、英国経済は今年は1.3%成長するが、貿易摩擦と事業環境の不確実性の高まりにより、26年には1.0%成長に減速すると予測している。

OECDは「財政ルールを守るためには、財政状況が今後の見通しにとって大きな下振れリスクとなる」とし、「現在、財政バッファーは非常に薄く、新たなショックが発生した場合、財政ルールに違反することなく適切な支援を提供するには不十分となる可能性がある」と指摘した。

3月に発表された最新の公式予測では、リーブス氏は財政ルールを守るために100億ポンドのゆとりがあるとしていたが、これは歴史的基準からするとわずかであり、借入コストの上昇や経済成長の鈍化によって容易に失われる可能性がある。

OECDは、リーブス氏は対象を絞った歳出削減、税制上の抜け穴の解消、地方の固定資産税の引き上げ、より多くの失業給付受給者が職に就けるような給付制度の改革を行うべきだと提言した。

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