ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.06.02 14:55

米国防総省が中国の攻撃射程距離内にあるグアムに対するミサイル防衛のための明確な日程と計画を樹立できずにいる。米国防総省は2027会計年度に最初の配備を始め、2032会計年度にグアム防衛システムの最終要素を完成する計画だった。グアムはトランプ政権が在韓米軍を縮小する場合、その兵力が駐留する地域として知られているところだ。

<1>米国会計監査院、国防総省にグアム防衛のための明確な計画がないと批判

米国会計検査院(GAO)は5月22日(以下、現地時間)、米国防総省がグアムに構築しているミサイル防衛アーキテクチャーの建設、配備および長期的管理のための明確な戦略を開発していないという報告書を発表した。

GAOの報告書は、国防総省がシステム運営および維持に必要な人員の数と人員がいつ到着するかに関する資料を提示していないと明らかにした。米国防総省は2023年末、グアムにミサイル防衛アーキテクチャーを構築するうえで2024年が重要だと指摘した。中国の脅威が強まる中、米国防総省は2024年末までにグアムを狙った潜在的攻撃を防ぐ基本力量を提供すると約束したが、日程は遅れている。

人口17万人の島グアムはハワイより北京に近いという地理的弱点を持つ。グアムには相当な規模の米軍戦闘力が駐留中で、台湾海峡で戦争が発生する場合、中国には魅力的な標的となる可能性がある。

ミサイル防衛局(MDA)と陸軍はグアムに対するミサイル防衛の準備を始めようと2024会計年度に計15億ドルの予算を要請した。米国防総省は2023年、陸軍をグアム防衛のための獲得および実行計画を監督する主務機関に指定した。

現在の計画によると、グアムの16カ所の敷地に建築要素を分散配備し、指揮センターを設置することになっている。2027会計年度に最初の配備を始め、2032会計年度に最終的にグアム防衛システム要素を配備する計画だ。

グアムにミサイル防衛体系が初めて配備されたのは2013年であり、陸軍の終末高高度地域防衛(THAAD)システムが配備された。このシステムは2016年6月、北朝鮮の弾道ミサイル脅威に対する防衛のため永久駐留することになった。

このほかグアムを保護するために開発したAN/TPY-6レーダーの開発が年初に中断した。ミサイル防衛局は昨年夏、初めてAN/TPY-6パネルをグアムに搬送した。AN/TPY-6の開発終了で残った資金はイージス指揮および統制およびデータリンクと連結したAN/TPY-2および下層対空およびミサイル防衛センサー(LTAMDS)を使用し、SM-6ミサイルで交戦を可能にする予定だ。

<2>インド、自国産ステルス戦闘機AMCAプログラム承認

5月27日、インドのシン国防相がステルスを特徴とする先端中型戦闘機(AMCA)プログラムを公式承認した。今回の発表はパキスタンとの軍事的緊張が急激に高まる中で出てきたもので、今月初め、インド空軍が大規模な空中対峙中に経験した一連の戦術的挫折に続いて出てきた。

国営航空開発庁(ADA)が監督するAMCAプログラムは、インドが世界最先端戦闘機と競争できる第5世代双発エンジンステルス戦闘機の保有を目標とする。AMCAプログラムの緊急性はインドとパキスタンの4日間の軍事衝突後に浮き彫りになった。

しかし当時発生したインド軍の戦闘機損失の正確な原因はまだ明らかになっていない。利用可能な情報では武器システムの故障、戦術的判断の問題、操縦士訓練の欠陥または人的エラーによる結果なのかは確認できない。こうした不確実性はAMCAプログラムの基盤に対する懸念を高める。いくら技術的に進歩したプラットホームでも教理、作戦準備態勢、指揮体系の構造的欠陥を補完することはできない。操縦士が高強度条件で高性能航空機を運用する適切な訓練を受けることができなければ、第5世代戦闘機の導入は戦場で機能的な解決策でなく象徴的な措置として残るだけだ。

またインドは技術的または産業的にこうした野心に満ちたプログラムを実行できる「能力があるのか」という重要な質問に直面している。インドはすでに第4.5世代戦闘機テジャスの開発が慢性的な遅延に直面していて、初期のAMCAの変形は国内の代案が開発されるまで依然として米国のF-414エンジンに依存する。

産業インフラ、サプライチェーン、大規模プロジェクト管理は航空機独自の技術ほど複雑な課題だ。米国・中国・ロシアはそれぞれ数十年かけてステルス戦闘機プログラムを完成したが、インドはこのレベルの精巧な航空機を量産した経験がなく、能力が立証されていない状態で競争に参入している。

バンガロールで開催されたエアロインディア2025で公開されたAMCAプロトタイプは関心を集めたが、産業的な規模で予想目標を達成できるという保証はない。明確な産業育成戦略、核心部品の独立性、ステルス技術に対する実際の戦闘経験なしにはAMCAプログラムが目標に達しないリスクがある。戦略的自律性に対する政治的な意図と野望を達成するためには、技術的規律、現実的な計画、持続的な財政投入が伴わなければならない。

【ミリタリーブリーフィング】ハワイより中国に近いが…「米国に明確なグアム防衛計画ない」(2)

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