米食品大手マースは、同社の人気キャンディー「スキットルズ」から食品の白色化や着色を目的に使われていた添加物、二酸化チタンを除去したことを明らかにした。

  二酸化チタンは、食品を明るく見せたり、つやを与えたりする効果があるが、ナノ粒子が体内に蓄積しDNAを損傷する可能性があるとの懸念から、2022年に欧州連合(EU)が使用を禁止。米国でも、ケネディ長官率いる厚生省が注目している。

  23年には、環境ワーキンググループ(EWG)や食品安全センターなどの団体が、食品添加物としての認可を撤回するよう米食品医薬品局(FDA)に請願。FDAのウェブサイトによれば、24年3月時点で審査継続中だった。

  米国内では二酸化チタンの使用は禁止されていない。マースは16年に使用中止の方針を表明していたが、今年初めの時点でもサワー・スキットルズに同成分が含まれていた。

  同社は今年1月、ブルームバーグ・ニュースに対し、「政府の規制に準拠して使用している」と書面で説明していた。今回の使用中止に伴い、成分表示の変更を自社ウェブサイトに反映させる作業を進めているが、在庫の関係で当面は店頭に旧製品が並ぶ可能性があるという。

  なお、スキットルズには現在も合成着色料のレッド40とイエロー5、ブルー1が使用されている。これらの着色料についても、FDAと厚生省は26年末までの使用終了を食品業界と協議中だと4月に発表。業界団体側は、合意には至っていないとしている。

  一方で、モンデリーズ・インターナショナルの「サワーパッチキッズ・ウォーターメロン」や、クラフト・ハインツの「ランチャブルズ・クッキーダンクス」、JMスマッカーの「ドネッツ」など、他社製品では二酸化チタンが使用されている。二酸化チタンは日焼け止めや白色塗料にも含まれる成分だ。

  モンデリーズ、クラフト・ハインツとスマッカーはコメント要請に対し直ちには回答しなかった。スマッカーは3月、製品と表示はFDAの規則に準拠していると回答していた。

  スキットルズの二酸化チタン除去について、厚生省はブルームバーグのコメント要請に応じていない。

原題:Skittles Removes Controversial Additive Targeted by RFK Jr. (抜粋)

 

 

 

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