オーストラリア・ニューサウスウェールズ州で発生した記録的な豪雨により、各地で洪水被害が広がる中、感動的な生存劇が話題となっています。州内ミッド・ノース・コーストに位置するオールド・バー・ビーチで、濁流に流された一頭の牛が生きたまま発見されたと、UPIなどが報道しました。
この牛を発見したのは、地元に住むレイラ・フィリプソンさんです。浜辺に横たわる牛の写真をFacebookの「タリー地域掲示板」に投稿したところ、それが飼い主の目に留まり、無事に再会へとつながりました。牛は、ビーチから約18キロ離れたタリーの農場から流されたとみられ、洪水に巻き込まれた複数の牛の中の一頭だったそうです。
Fox Newsによると、今回の豪雨はゆっくりと移動する低気圧によって記録的な雨をもたらし、タリーを流れるマニング川は過去100年で最悪レベルの水位に達しました。その結果、およそ5万人が孤立し、1万戸以上の住宅が被害を受けたほか、家畜も多数流されました。救助活動はこれまでに700件以上に上っており、現在も支援が続けられています。
飼い主によると、牛はすでに保護され、現在は獣医のもとで治療を受けているとのこと。深刻な被害が続く中、この牛の奇跡的な生還は地域の人々にとって大きな希望となっています。ただし、当局は引き続き洪水への警戒を呼びかけており、予断を許さない状況が続いています。