ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.05.30 09:42

世界的なサッカースター、ディエゴ・マラドーナに対する殺人容疑の裁判を担当するアルゼンチンのある裁判官が、この事件をテーマにした秘密ドキュメンタリーに俳優のように出演したことが確認され、現地で波紋を呼んだ。アルゼンチン最高裁判所は29日(現地時間)、声明を出し、マラドーナ事件の裁判部(3人)に属していたブエノスアイレス州サンイシドロ刑事裁判所のフリエタ・マキンタッチ裁判官(57)に対し、90日間の休職命令を下し、懲戒の手続きに入ったと明らかにした。また裁判所はマキンタッチ裁判部で進めた公判を無効化し、すべての審理を最初から再び進めることにした。

マラドーナは2020年11月、脳手術を受けて自宅で回復していたところ、心不全と急性肺浮腫で60歳でこの世を去った。アルゼンチンの検察は当時、マラドーナを自宅で治療していた医療スタッフがきちんとした措置を取らなかったと判断し、関係者のうち7人を未必の故意による殺人容疑で起訴した。

公判は今年3月に始まり、マキンタッチ裁判官はこの期間、密かにマラドーナ死亡事件の裁判全般を扱った『神聖な正義(Justicia divina)』というタイトルのドキュメンタリー映像を撮影したことが明らかになった。このような事実は、コンテンツの一部を予告編のように編集した1分間のティーザー映像が公開され知らされた。

映像の中のマキンタッチ裁判官は、裁判所内部に見える建物を俳優のように移動し、事務室の机越しにカメラを見つめる姿が映った。またマラドーナ死亡事件に関連したコンテンツも早く編集されていた。

検察と被告人、マラドーナ遺族らは一斉にマキンタッチ裁判官の品位維持違反と公正性毀損を指摘し、強く糾弾したと現地メディアは報じた。世論も「裁判をリアリティショーに転落させた」として裁判官の弾劾を求めている。検察は刑事処罰の可能性も検討しているという。

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