ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.05.28 14:25
メキシコがトランプ政権1期目当時、北米自由貿易協定(NAFTA)の代わりに締結した米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の再検討時点を来年から今年下半期に操り上げる可能性があると明らかにした。協定を早期に再検討して再び交渉するべきというトランプ大統領の意中を反映したという評価が出ている。
◆メキシコ「可能…早ければ今年9月」
ロイター通信によると、メキシコのエブラルド経済相は27日(現地時間)、記者らに「T-MEC(USMCAのメキシコ表記)に対する計画された検討が今年10-12月期初めに公式的に始まると予想する」とし「開始時点は9月末または10月第1週になるだろう」と述べた。
エブラルド経済相の発言はトランプ大統領の主張を意識したものという評価が出ている。USMCAはトランプ政権1期目の2018年に締結され、2020年7月に発効した。1994年に始まったNAFTAの代わりに北米3カ国間の商品を無関税で輸出入するという内容が骨子だった。発効後6年ごとに履行事項を検討して協定を延長するかどうかを決めるという合意に基づき、2026年7月に最初の再検討が行われる計画だった。
しかしトランプ大統領は今年1月に就任した後、USMCAは不公正だと指摘しながら、協定を早期に再検討して交渉自体をもう一度するべきだと主張している。トランプ大統領は6日、カナダのカーニー首相との首脳会談で「米国に不公正だったNAFTAをなくしたUSMCAは良い協定だが、再交渉が必要なら始める」と述べた。
ホワイトハウスが先月3日に公開した報告書「米国優先主義貿易政策」でも、米通商代表部(USTR)はトランプ大統領に「米国の利益に合うよう従来の貿易協定を現代化する余地がある」とし「USMCAの原産地規定拡大、米国産乳製品のカナダ市場接近拡大、エネルギー分野などでメキシコの差別的慣行の改善」などを勧告した。
ただ、メキシコは協定の早期再検討は可能だが、再交渉は警戒する立場だ。USMCAを通じた北米3カ国経済の相互補完性を強調しながらだ。エブラルド経済相は「米国は追加で13件の自由貿易協定を採択しているが、米国の関税政策にもかかわらず全体貿易量の90%近くで無関税を維持するのはT-MEC(USMCA)が唯一」とし「T-MECは3カ国が互いに多くの利点があるよう設計されている」と述べた。
◆カナダ「慎重…関税交渉が先」
もう一つの協定当事国のカナダは早期再検討にも慎重であるべきという立場だ。USMCA関連の議論より米国と進行中の関税交渉など懸案を解決するのが先ということだ。カーニー首相はこの日、カナダCBC放送のインタビューで「我々はUSMCAを幅広く再検討する前に(鉄鋼・アルミニウム・自動車関税)問題で直接的な進展があることを望む」と話した。