アフリカ開発銀行(AfDB)は27日公表した年次報告書「アフリカ経済見通し」で、2025年のアフリカ全体の経済成長率は3.9%との見通しを示した。写真は南アフリカのダーバン港にあるコンテナ・ターミナル。4月撮影(2025年 ロイター/Rogan Ward)
[ナイロビ 27日 ロイター] – アフリカ開発銀行(AfDB)は27日公表した年次報告書「アフリカ経済見通し」で、2025年のアフリカ全体の経済成長率は3.9%との見通しを示した。伸び率は24年の3.3%から加速するが、トランプ米政権の関税引き上げによる打撃を主因として当初見通しより0.2%ポイント下方修正した。
AfDBはまた、トランプ関税に起因する不確実性を理由に26年の成長率見通しも0.4%ポイント引き下げて4.0%とした。
AfDBは報告書で「25年1月以降、世界は新たな衝撃に見舞われ、既に複雑化していた世界のマクロ経済情勢は悪化した」と指摘。「こうした衝撃には、米国が課した過度の新たな関税と、貿易相手国による報復措置が含まれる」とした。
さらに、こうした混乱の結果として生じる経済の減速によって世界的な需要は抑制される公算が大きく、アフリカから世界各地への輸出は押さえ込まれると考えられると説明した。
一方、「流動的な情勢と進展している不確実性は、米国が『解放の日』に発表した(相互)関税を90日間停止する措置に関する判断に左右されることを意味する」とも言及した。
アフリカの年間貿易額に占める対米貿易の比率は5%にとどまるものの、コモディティー(商品)価格の下落や金融資産の評価額引き下げによる影響を既に受けている。
AfDBによると、25年のアフリカ全体のプラス成長は、国別の成長率が5%を超える21カ国が下支えする見通し。エチオピア、ニジェール、ルワンダ、セネガルの各国は成長率が7%以上になると見込まれている。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab