ウクライナが鉱物資源業を抜本改革、米との協定による投資期待

 ウクライナ政府は、ロシアの侵攻で打撃を受けた鉱物資源業の抜本的な改革に取り組んでいる。米国との資源開発協定締結をテコに、これまで進んでいなかった同セクターの開発を進め、多額の投資を呼び込むことを期待している。写真は8日、ウクライナのキーウで撮影(2025年 ロイター/Andrii Nesterenko)

[キーウ 27日 ロイター] – ウクライナ政府は、ロシアの侵攻で打撃を受けた鉱物資源業の抜本的な改革に取り組んでいる。米国との資源開発協定締結をテコに、これまで進んでいなかった同セクターの開発を進め、多額の投資を呼び込むことを期待している。フリンチュク環境保護・天然資源相が26日のロイターのインタビューで明らかにした。

ウクライナには欧州連合(EU)が重要と規定する鉱物資源34種類のうち22種類が存在するが、旧ソ連時代の煩雑な手続きや投資の不足がネックとなり、ほとんどが未開発となっている。

ウクライナと米国の資源開発協定に基づいて設立され、23日に始動した基金は、ウクライナにおける新たな採掘ライセンスを原資として鉱業資源開発プロジェクトに投資する。

フリンチュク氏はこの基金で鉱業のポテンシャルが大幅に高まることを望んでいると述べ、地下資源開発には資本の集中的な投下と長い期間が必要になると指摘した。

「現在、わが国の天然資源セクターが国内総生産(GDP)に占める比率は4%だが、潜在力ははるかに大きい」と話したが、今後の見通しは示さなかった。また、「この協定(米国との資源開発協定)によって鉱業分野への関心が高まり、外国投資がより理解され、魅力的なものになることを心から望んでいる」と語り、外国投資の拡大に期待を示した。

ウクライナは戦争により国土の約5分の1、鉱物資源の約半分がロシアの占領下にあり、石炭、リチウム、マンガンなど地下資源の多くを失った。

フリンチュク氏によると、鉱業セクターの被害総額は推計で約70兆フリブナ(1兆7000億ドル)に上る。政府は昨年末に資源セクターの戦略を練り直し、現在は地質探査に関する情報とデータへのアクセス改善、手続き作業の負担軽減、さらには経済にとって重要で戦略的な鉱物資源のリスト作成の詰めの作業に取り組んでいる。こうした作業は2030年までの欧州連合(EU)加盟を目指しているウクライナの欧州統合計画の一環と位置づけられている。

政府は欧州委員会、欧州復興開発銀行(EBRD)と協力し、旧ソ連時代の地質データの最大80%をデジタル化する数年がかりのプロジェクトを進めており、その作業が現在40%程度完了しているという。既存の約3000件の鉱業ライセンスの見直しも進めており、フリンチュク氏の推計ではこのうち約10%は休眠状態となっている。

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