米国株式市場=大幅反発、トランプ氏の対EU関税延期でリスク選好高まる

米国株式市場は主要株価3指数が大幅反発。2021年1月撮影(2025年 ロイター/Mike Segar)

[ニューヨーク 27日 ロイター] – 米国株式市場は主要株価3指数が大幅反発。トランプ大統領が欧州連合(EU)に対する高関税の発動期限延期を表明したことで、リスク選好度が高まった。米CB消費者信頼感指数が改善に転じたことも追い風となった。

ダウ工業株30種(.DJI), opens new tabは740ドル値上がり。ナスダック総合(.IXIC), opens new tabとS&P総合500種(.SPX), opens new tabはともに2%超上昇した。

マグニフィセントセブン(超大型ハイテク7銘柄)など人工知能(AI)関連株が堅調で、ハイテク株中心のナスダックが指数の上げを主導した。

S&P500は2月19日に付けた終値での最高値から3.6%以内に迫っている。同指数はトランプ大統領の関税発表の影響で、最高値から18.9%下落していた。

マーフィー・アンド・シルベストのシニアウェルスアドバイザー兼市場ストラテジスト、ポール・ノルテ氏は「(トランプ氏が)4月2日に(相互関税を)発表した際、市場は世界が終わると思った」と指摘。「売りがあまりにも強く急激だったため、ある程度の反発は予想できた。そして、その反発も強く急速なので投資家がそれを消化し、実際の地合いについて自問自答するにつれて、ある程度の反落が予想される」と述べた。

トランプ氏は欧州連合(EU)との通商交渉に進展がないことにいら立ち、対EU関税を6月1日に50%に引き上げると警告したが、25日のフォンデアライエン欧州委員長との電話会談後に期限を7月9日に延期した。

コンファレンス・ボード(CB)が27日発表した5月の消費者信頼感指数は98.0と、前月から12.3ポイント上昇した。

S&P500の主要11セクターは全て上昇し、一般消費財(.SPLRCD), opens new tabと情報技術(.SPLRCT), opens new tabが上げを主導した。航空株(.SPCOMAIR), opens new tabや、超大型ハイテク株を中心に構成するニューヨーク証券取引所のFANG+インデックス(.NYFANG), opens new tabがアウトパフォームした。半導体大手エヌビディア(NVDA.O), opens new tabの決算発表を翌日に控え、フィラデルフィア半導体指数(.SOX), opens new tabの上げも目立った。エヌビディアの四半期決算は売上高が前年同期比66.2%増、1株利益が43.5%増と予想されている。格安電子商取引(EC)サイト「Temu(テム)」を運営する中国のPDDホールディングス(HD)(PDD.O), opens new tabは13.6%急落。第1・四半期の利益が47%減少し、売上高が市場予想を下回ったことを受けた。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を5.42対1の比率で上回った。ナスダックでも2.54対1で値上がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は169億8000万株。直近20営業日の平均は177億2000万株。

LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります
※米国株式市場

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