中国科学院自動化研究所の研究チームは自律感覚に基づくバイオミメティック側線センサー「FlowSight」の開発に成功しました。
自然界において、魚類は側線系により水流の変化を感知し、暗流が多い水中で柔軟に移動し、障害物を回避します。この仕組みからヒントを得て、中国科学院自動化研究所の研究チームはこのほど、自律感覚に基づくバイオミメティック側線センサー「FlowSight」の開発に成功しました。これにより、水中ロボットが水流を正確に感知する「知能」を持つようになり、複雑な水域における自律ナビゲーションと環境モニタリングの新たな道が開かれました。
このセンサーは、魚の側線系感丘を模した柔軟なシリカゲルの触手を利用して水流のセンシングを実施します。水流が触手に触れると、その変形の具合は内蔵の高解像度カメラによりリアルタイムで画像シーケンスとしてキャプチャーされ、ディープラーニングモデルを利用して画像から水流の速度と方向を解析することで、水流の効率的なベクトル感知を実現しました。水流速度の測定の相対誤差は3.05%、水流方向の測定の相対誤差は0.98%でした。
研究チームはこのセンサーをバイオミメティック水中ロボットに搭載させ、水流感知に基づく閉ループ運動制御実験に成功しました。水中ロボットは生きた魚類のように水の流れをさかのぼって泳ぎ、動的に姿勢を調整することができ、水中探査と生態モニタリングに新たなソリューションを提供しました。(提供/CRI)
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