公開日時 2025年05月25日 10:45更新日時 2025年05月25日 10:45
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1960年5月23日明け方、チリ沖で巨大地震が起こり、発生した津波は、翌24日未明から北海道、東北、西日本、沖縄という順序で日本に襲来、死者・行方不明142人の被害が出ました。犠牲者の中には、忘れ物を取りに戻った人、津波見物や魚介の採取をしていた人もいました。
沖縄本島には、24日明け方から数回にわたり来襲、名護では死者3人のほか、真喜屋大橋、屋我地大橋も流失しました。気象庁の津波予報は、津波が到達した後の発表でした。この津波は、大きな引き潮から始まっています。津波情報のない中、引き潮を見て逃げた方が多かったようです。ただ、押しから始まる津波もあります。潮が引かないから、津波はないと思うのは、間違いです。
その後、気象庁は、遠地津波に対する津波予報を新設、国際連携も行われるようになり、遠地地震津波に対する情報精度は向上しました。
この津波の最大の教訓が「地震がなくても津波が来る」です。地震を感じなくても、気象庁の発表する情報には、注意が必要です。
気象予報士・防災士の島尻勝さんが沖縄の気象や防災・減災にまつわる話題をつづります。
島尻 勝(しまじり・まさる) 1954年生まれ。宮古島市出身。沖縄気象台などで40年勤務。気象防災アドバイザー取得。県内ラジオ局で天気にまつわる番組を担当。
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