欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミスト、レーン理事は23日、トランプ大統領の関税措置によって米国のインフレが加速しても、それが必ずしもユーロ圏に波及するとは限らない、との見方を示した。

  レーン氏はイタリア・フィレンツェで「変動相場制では、ここでのインフレと米国との間に機械的な関連性はない」と指摘し、「インフレはわれわれのコントロール下にあることを認識すべきだ。世界的なインフレという概念は、完全に根拠のあるものではない」と述べた。

  レーン氏は、米国の金融引き締めは、世界経済にブレーキをかけることになり、欧州の物価上昇を抑制する可能性があるとも述べた。

  経済動向が異なるにもかかわらず、パンデミック後の米国と欧州のインフレ率は急上昇し、2022年半ばにピークに達した後、ほぼ同時に低下した。レーン氏の同僚であるECBのシュナーベル理事らは、インフレがますますグローバルな現象になりつつあると主張している。

  アナリストらは、トランプ氏の貿易政策が経済成長を圧迫し、米国の物価を押し上げる可能性が高いと広く予想している。欧州では、ほとんどの当局者がインフレ見通しに楽観的で、6月の政策委員会会合でも、追加利下げを行うとの見方が大勢を占めている。

  ユーロ圏の消費者物価上昇率は、基礎的な物価の上昇により、4月に2.2%で前月から横ばいとなった。ただ、エコノミストらは5月に下落に転じ、2%を下回る可能性があると予測している。

原題:ECB’s Lane Says US Price Jump Wouldn’t Necessarily Reach Europe(抜粋)

WACOCA: People, Life, Style.