トヨタ自動車は、米国で小型ピックアップトラックの投入を検討している。成長を続けるエントリーレベルのトラック市場で米フォード・モーターや韓国の現代自動車と競合する可能性がある。

  米国市場では大型および中型のピックアップトラックが主流だが、車体が大きくなると共に価格もここ数年に着実に上昇。4月の新車取引価格は平均4万8699ドル(約700万円)に達した。トランプ米大統領の貿易政策はさらなる価格上昇を招く恐れがあり、消費者は小型の荷台を備えた手頃なトラックを求める傾向を強めている。

  2021年に登場したフォードの「マーベリック」や現代の「サンタクルーズ」はそうした需要をうまく取り込んでいる。トヨタは同社の主力ピックアップである中型の「タコマ」や大型の「ツンドラ」よりも小型のトラックを求める米国ディーラーの声に耳を傾けていると、幹部らは明らかにした。

  トヨタ北米事業のマーク・テンプリン最高執行責任者(COO)は、「われわれはそれを検討している」とインタビューで語った。

  ただ、トヨタ幹部らは小型トラックの計画がどの程度進んでいるのか、あるいはいつ発売されるのかなど詳細は控えた。

  フォードのマーベリックは価格が2万8145ドルからで、昨年の米国販売台数は13万1142台と前年比39%増加した。現代のサンタクルーズは2万8750ドルから。昨年の米販売台数は13%減の3万2033台だった。

  トヨタ北米事業で企画・戦略担当のシニアバイスプレジデントを務めるクーパー・エリクセン氏は、「当社はこの分野で非常にうまくやれるかもしれない。だからこそ、実現を目指している」と別のインタビューで発言。「タイミングの問題だ」と話した。

原題:Toyota Mulls Making Tiny Trucks for US Market as Demand Booms(抜粋)

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