H.U.グループホールディングス傘下の富士レビオ・ダイアグノスティクスは、同社が開発したアルツハイマー型認知症の血液検査薬が6月下旬から米国で利用できるようになると発表した。同検査薬は先週、米食品医薬品局(FDA)の認可を得た。

  開発責任者の石川剛己氏は20日のインタビューで、当初はアルツハイマー型認知症を専門とする研究所や病院の約50カ所で利用が開始されると述べた。同社はベックマン・コールターなどの同業大手とも提携し、薬品の開発と製造に取り組んでいるという。

  米国のアルツハイマー型認知症の患者は、700万人近くに上るとされている。この検査は脳内に蓄積することでアルツハイマー病の特徴とされるタンパク質「アミロイド」を検出。採血から診断までの時間は約30分で、新たな治療法の普及に向けた重要な一歩と見なされている。

  これまでは脳内のアミロイドを検出するために特殊なPET検査や脳脊髄液の検査を受ける必要があり、いずれも高額で侵襲性が高いものだった。簡便かつ迅速な検査方法がなかったことが、エーザイとバイオジェンの「レケンビ」や、イーライリリーの「キスンラ」といった新薬の普及を遅らせる一因となっていた。

  日本での承認申請については8月にもデータを提出、欧州では年内に手続きに入る計画だと石川氏は述べた。中国ではパートナー企業が来年にもデータを提出する方向で、インドではアガッペ・ダイアグノスティクスと提携しているという。

 

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原題:First Blood Test for Alzheimer’s to Be Available in US in June(抜粋)

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