BRICS、ドル支配覆す市場創出は見込めず=ブラジル中銀理事

ブラジル中央銀行のニルトン・ダヴィド金融政策担当理事は5月19日、主要新興国で構成するBRICS諸国において向こう10年以内にドルの支配を覆すほどの大きな市場が創出される見込みは全く現実的ではないとの見解を示した。同中銀のロゴ。2024年12月、ブラジリアで撮影(2025年 ロイター/Adriano Machado)

[ブラジリア 19日 ロイター] – ブラジル中央銀行のニルトン・ダヴィド金融政策担当理事は19日、主要新興国で構成するBRICS諸国において向こう10年以内にドルの支配を覆すほどの大きな市場が創出される見込みは全く現実的ではないとの見解を示した。同中銀のウェブキャストで語った。

ダヴィド氏は、BRICS諸国通貨建ての資産には現時点でドルを打ち消せるほど大きな規模はないと指摘。「こうした状況が向こう10年以内に変わるとは思わない」と述べた。

同氏は、ドルに代わる決済手段が勢い付いて二国間貿易を推進する可能性はあるとしつつも、予見可能な将来にドルを追い越すほどの規模には程遠いと強調した。

ロイターは今年2月、BRICSが今年内は共通通貨構想を巡る議論を棚上げにする一方、ドルへの依存度を引き下げる手法について協議すると報じた。

トランプ米大統領はドルの支配的な位置付けに挑むBRICSの試みに対して再三にわたって警笛を鳴らしている。

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