ブラジル南部リオグランデドスル州の養鶏場で鳥インフルエンザが検出された問題で、同国政府は中国などの消費国がブラジル産鶏肉輸入の全面禁止措置を近く緩和するとの期待感を示した。写真は同州モンテネグロの市場で販売されている鶏肉。5月17日撮影(2025年 ロイター/Diego Vara)
[ブラジリア 19日 ロイター] – ブラジル南部リオグランデドスル州の養鶏場で鳥インフルエンザが検出された問題で、同国政府は中国などの消費国がブラジル産鶏肉輸入の全面禁止措置を近く緩和するとの期待感を示した。
ブラジル農業省幹部は、同国南部で鳥インフルエンザの感染拡大に歯止めがかかれば、中国が日本、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)と同様に、ブラジル南部産の鶏肉輸入のみを禁止するだろうとの見方を示した。
同幹部は「世界的な需要は非常に強く、近く一定の柔軟性が見られるだろう。輸入停止が長期化しないよう、迅速に情報を共有する取り組みを進めている」と述べた。
ブラジルは世界最大の鶏肉輸出国。世界の鶏肉取引の35%以上を占めている。全面的な輸入停止は国内の養鶏場だけでなく、主要輸入国にとっても痛手となる。
ブラジルのファバロ農相によると、中国の輸入鶏肉の半分以上はブラジル産。養鶏農家の間ではブラジルのルラ大統領と中国の習近平国家主席の良好な関係に期待を寄せる声が出ている。
S&Pグローバル・コモディティー・インサイツのシニア・マーケット・アナリスト、レナン・アウグスト・アラウージョ氏は、今回の鳥インフル検出により、ブラジルの鶏肉輸出が10─20%減少する可能性がある。
欧州連合(EU)や韓国などもブラジル産鶏肉の輸入を全面的に禁止している。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab
WACOCA: People, Life, Style.