トランプ米大統領は16日、インドが米国製品に課す関税の100%削減を提案したと述べる一方、同国との貿易合意を急がない姿勢を示した。

  トランプ大統領はFOXニュースとのインタビューで、米国製品の輸出を妨げる障壁の削減を求める国として、インドを例に挙げ、「彼らはビジネスを行うことをほぼ不可能にしている。インドが米国への関税を100%削減する用意があると知っているか」と語った。

  インドとの間でどの程度合意に近づいているかについて、トランプ氏は曖昧なシグナルを発した。「それは間もなく実現する。私は急いでいない。誰もがわれわれと取引したがっている。だが誰とでも取引するつもりはない」と発言した。

  トランプ政権は貿易相手国・地域に課す上乗せ関税を90日間停止したが、7月に期限を迎える。大統領の今回の発言は、それまでに一部の国・地域と貿易合意をまとめるつもりはあるが、多くの国への関税率を米国が一方的に決める可能性をあらためて示唆するものだ。

President Trump Meets Indian Prime Minister Modi At White House

インドのモディ首相とトランプ米大統領(ホワイトハウスで、25年2月)

Photographer: Francis Chung/Politico/Bloomberg

  トランプ大統領はこの日、貿易相手国・地域に課す新たな輸入税率を「今後2-3週間で」設定するつもりだと明らかにしていた。

  マンパワーなどが不足する状況で、上乗せ関税の対象となる全ての国・地域と同時に交渉を進めることは不可能であり、トランプ政権はインドを含む一部の国・地域との貿易協議を優先している。

関連記事:米国、貿易相手国への関税率を「2-3週間以内に」決定ートランプ氏

原題:Trump Says India Offered to Cut US Tariffs But He’s in No Rush(抜粋)

(背景などを追加して更新します)

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