共有

2025年5月14日 13:13

【速報】腰の手術でドリルで神経切断され重度の障害…市と執刀医に約8900万円の賠償命じる判決 医療事故が相次いだ赤穂市民病院「脳外科医 竹田くん」で漫画化も

赤穂市民病院

 相次いで医療事故が発生した兵庫県赤穂市の市民病院で、腰の手術での“医療過誤”により神経を切断され重度の障害が残った女性とその家族が、執刀した医師と市に損害賠償を求めた裁判で、神戸地裁姫路支部は14日、医師と市に対しあわせて約8900万円の支払いを命じました。

 赤穂市民病院の脳神経外科に勤めていた医師の松井宏樹被告(47)は2020年、70代の女性の腰痛を改善するための手術で、ドリルを使用して誤って脊髄の神経を切断し、女性の足などに重い障害を負わせたとして、去年、業務上過失致傷の罪で在宅起訴されています。女性の足には重いまひが残ったほか、疼痛に苦しめられるようになったということです。

 訴状などによりますと、松井被告は手術の前、同様の事例を「200例ほど見てきた」などと虚偽の説明をしたほか、手術後に女性に介護が必要になると、女性に対し「看護師に面倒な患者の世話をさせて申し訳ないと思っている。そういう意味では早く退院してほしいという気持ちもあります」などと不当に入院を延ばしているかのような発言したと主張。

 女性とその家族は松井被告と赤穂市に対し、約1億4000万円の損害賠償を求めていたのに対し、市と松井被告は損害賠償責任については認める一方、市は賠償金額などを争い、松井被告は、自身の過失については認めたものの、「上司に危険な手術を強制された」などといった旨の主張をしていました。

 14日の判決で神戸地裁姫路支部は、松井被告が「止血等により視認性の確保が十分でないのに骨の切除を進めるなど、注意義務違反は著しい」と指摘。女性の後遺障害に対する慰謝料や将来にわたってかかる治療費などを含め、女性に対し約8670万円、家族に対して約220万円の支払いを命じました。

 赤穂市民病院が公表した検証委員会の報告書によれば、松井被告はこのほかにも少なくとも7件の医療事故に関わり2人が死亡しています。一連の問題は、被害者の親族によって漫画作品化されていて、「脳外科医 竹田くん」というタイトルでインターネット上に公開されていました。

最終更新日:2025年5月14日 14:41

関連ニュース

WACOCA: People, Life, Style.