ロシアによるウクライナ侵攻から3年が経過する中、トランプ米大統領が和平交渉の仲介役として前面に出ている。しかし、ロシアが一方的に宣言した72時間の一時停戦が機能せず、ウクライナ側の不信感も根強い。トランプ大統領の仲介は実を結ぶのか。停戦への道筋と課題を探る。
【写真を見る】日本は約2兆円…各国のウクライナ支援額
■トランプ大統領、停戦実現に前のめり姿勢の理由「まさにアメリカファースト」
トランプ大統領は就任前から「24時間でこの問題を解決する」と豪語していたが、現実は厳しい。外務省担当記者によると、「トランプ大統領としては、就任100日後で歴代大統領の中で一番支持率が低いと言われている中で、ウクライナ紛争を解決するという功績を作って支持者にアピールしたい思いがある」という。
トランプ大統領がウクライナ問題に関与する最大の理由は、これまでの膨大な支援から早期に手を引きたいという思惑だ。外務省関係者は「トランプがウクライナ戦争を終わらせたい最大の理由は、いま投入しているお金をアメリカのために使いたいから、まさにアメリカファースト」と指摘する。
しかし、トランプ大統領の姿勢には変化も見られる。当初はウクライナに過去の支援の全額返済を求めていたが、最近ではウクライナとの鉱物資源共同開発協定に署名。今後の支援のみを回収の対象とするなど、ウクライナ側への一定の譲歩も見せている。
■「ウクライナ人の89%がトランプ氏を信頼しない」ウクライナの不信感と複雑な国内事情
一方、ウクライナ側のトランプ大統領に対する不信感は根強い。ウクライナのシンクタンクが4月に行った調査では、「ウクライナ人の89%がトランプ氏を信頼しない」と回答したという。この数字は、トランプ大統領就任前の昨年11月の調査(47%)から倍増している。
不信感の背景には、トランプ大統領のロシア寄りの発言が影響している。外務省担当記者は「トランプ大統領はロシアに侵略者という表現を使わなかったり、ロシアが『ウクライナのNATO加盟を認めない』と言ったことに対して『いいよ、それで』と勝手に承諾したりと、ウクライナを軽視する言動が目立っていた」と話す。

WACOCA: People, Life, Style.