トロントで毎年開催される「RC Show(Restaurants Canada Show)」は、カナダ最大級の外食産業専門展示会。飲食業界のバイヤー、シェフ、レストラン経営者、食材・設備・テクノロジー関連企業などが一堂に集い、最先端の製品やトレンドを発信する一大イベントだ。 会場には、厨房機器やPOSシステムの最新技術のほか、オンタリオ州・ケベック州の地元食材、ヴィーガン対応商品、海外ブランドなど、多様なジャンルのブースが出展。また、クラフトビールやナチュラルワイン、カクテル向けスピリッツなど酒類関連のブースも充実しており、バーやレストランバイヤーにとっては、最新ドリンクトレンドを体感できる絶好の場でもある。

 近年では日本からの出展も増加しており、和食の紹介など日本の食文化のプレゼンスも広がりを見せている。今年は、毎年出展しているチョーヤ梅酒株式会社に加え、「小沢カナダ(OZAWA CANADA)」がカナダ国内で販促する沖縄「オリオンビール」と、宝酒造のスパークリング日本酒「澪(Mio)」を紹介し、来場者の注目を集めた。

Table of Contents

ToggleMio・オリオン・CHOYAで日本の“美味しい”を紹介OZAWA Canada 小澤彰太郎社長が語る
「日本のお酒を伝える手応え」― 会場での反応はいかがでしたか?― 「Mio」や「CHOYA」への反応は?チョーヤ梅酒(株) 稲葉信二さん
「カナダで広がる“本格梅酒”という選択肢」― バーテンダーの方々には、どのような形で使われているのでしょうか?― 北米での広がりはいかがですか?― カナダ市場についてはどのように見ていますか?― 日本人読者に向けて、メッセージをお願いします。Mio・オリオン・CHOYAで日本の“美味しい”を紹介

創業40周年を迎えた「小沢カナダ」が今年、RC Show 2025にブースを出展。長年にわたり築いてきた日本の食文化の発信力を背景に、代理店を務める「CHOYA」とともに2つの注目ブランドを紹介し、来場者の関心を集めた。

ひとつは、世界最大の日本酒メーカーである「宝酒造」のスパークリング日本酒「澪(Mio)」。きめ細かな泡とやさしい甘みが特長で、「飲みやすくて華やか」「食事に合わせやすい」と海外のバイヤーからも高評価を得ていた。

もうひとつは、沖縄の豊かな自然が育んだ「オリオンビール(Orion Beer)」。“Chill Side of Japan”というキャッチコピーのもと、南国のリラックス感を演出しながら、日本らしい爽快な味わいを多くの来場者に印象づけた。

「CHOYA」は1914年にワイン用ブドウの栽培からスタートし、1959年から本格梅酒の製造を開始。現在では世界70カ国以上に輸出され、世界最大の梅酒メーカーとしての地位を確立している。「CHOYA」ブースでは、カナダ市場向けに開発された「CHOYA 23」が紹介された。アルコール度数が高めで、ストレートやロックでもしっかりと楽しめる一方、近年ではカクテルベースとしての人気も高まっているという。また、四国産の手摘みゆずを使用した「CHOYA Yuzu」も紹介し、来場者に好評を博した。

OZAWA Canada 小澤彰太郎社長が語る
「日本のお酒を伝える手応え」

今年は、「CHOYA」とともに、スパークリング酒の「Mio」と沖縄の「オリオンビール」の出展を実現できたことがとても嬉しかったです。今年は6月に「Mio」がLCBOのリストに入ることが決まっているほか、満を持してカナダ市場に紹介できた「オリオンビール」が大変好評で、ここRC Showでもとても良い反応が得られて、手ごたえを感じています。

― 会場での反応はいかがでしたか?

CHOYAについては、バーテンダーなど業界の方などには「知ってるよ」と声をかけてもらえるようになりました。でも、まだまだ新しいお客様との出会いもあり、毎回新鮮な気持ちで参加しています。また今回は、特にオリオンビールが初登場ということもあり、「爽やかで飲みやすい」といった声が多く、とても好評でした。他ブランドと比べても、オリオンには明るくて親しみやすい空気があります。沖縄という土地のキャラクターも反映されているように思いますね。私たちとしても、日本の“ビール文化”の新たな一面をカナダで伝えていけると感じています。

― 「Mio」や「CHOYA」への反応は?

「Mio」はやや甘口のスパークリング清酒ですが、試飲された方からは「飲みやすい」「食前酒にぴったり」といった感想が多かったです。特に女性の方々からの人気が高く、やはり「世界でNo.1のスパークリング日本酒」と言われる理由を実感しました。「CHOYA 23」は、アルコール度数が高めで、ロックやカクテルでも楽しめますし、四国産のゆずを使った「CHOYA Yuzu」も注目されています。

チョーヤ梅酒(株) 稲葉信二さん
「カナダで広がる“本格梅酒”という選択肢」

今回もとても有意義な3日間でした。特に感じたのは、バーテンダーの方々の間でCHOYAの認知度がかなり上がってきているということですね。実際、3割くらいの方が「知ってる」「使ってる」とおっしゃっていて、それが本当に嬉しかったです。

― バーテンダーの方々には、どのような形で使われているのでしょうか?

梅酒はリキュールのひとつとして、カクテルの素材として使っていただいていることが多いですね。最近では、海外でも日本の梅酒がしっかりと「日本を代表するリキュール」として認識され始めているのを感じます。

― 北米での広がりはいかがですか?

おかげさまで、順調に認知度と導入店舗は増えてきています。ただし、国や地域によって規制や嗜好の違いがあるので、商品展開や販売戦略もそれに応じて調整が必要です。特にトロントではバーテンダーの皆さんのバックアップが非常に心強く、レストランでも導入が進んでいます。これは小沢カナダさんのご尽力のおかげでもあり、ありがたく感じています。

― カナダ市場についてはどのように見ていますか?

カナダは州ごとに法律や販売システムが大きく異なるので、全国一律の戦略が通用しにくいというのが正直なところです。たとえば、オンタリオ州(LCBO)とブリティッシュ・コロンビア州(BC Liquor Stores)では運用の仕方も全く違います。今後はモントリオールなどにも足を運びながら、地域ごとの戦略を丁寧に築いていく必要があると感じています。

― 日本人読者に向けて、メッセージをお願いします。

いつもCHOYA製品をご愛顧いただき、本当にありがとうございます。皆さん一人ひとりが、ご友人やご家族にCHOYAをおすすめいただけることが、私たちにとって最大の応援です。引き続き、カナダでの梅酒の広がりにご協力いただければ嬉しいです。
また、日本にお帰りの際は、ぜひ銀座にある「チョーヤ銀座バー」にお立ち寄りください。CHOYAの梅酒を使ったカクテルが100種類以上あり、料理とのペアリングも楽しめる専門店です。最近では、若い女性や海外からのお客様も増えております。

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