UBSグループは5時間未満のフライトによる中国への出張について、ビジネスクラスの利用を社内で禁止した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。出張規定をグローバルで統一するとともに、アジアでの取引鈍化を受けたコスト削減が目的だという。
関係者によれば、中国を担当するバンカーはこれまで、5時間未満のフライトではビジネスクラス利用を制限するというガイドラインの適用外とされていたが、今後はその対象に含まれる。このガイドラインは他の国・地域では数年前から適用されていた。内部情報であることを理由に関係者は匿名で語った。UBSの担当者はコメントを差し控えた。
今回の変更は、米中間の貿易摩擦が激化する中、中国におけるM&A(企業の合併・買収)や資本市場活動が大きく鈍化する中で実施された。大中華圏は同社アジア事業における主要な成長エンジンであり、最大の利益貢献地域でもある。
ウォール街や欧州の金融機関にとって、香港はアジアの主要拠点であり、同地を拠点とするバンカーは顧客対応のため頻繁に中国本土へ出張している。
関係者の1人によれば、中国を担当するバンカーが短時間フライトでもビジネスクラスの利用が認められていたのは、他地域に比べて航空運賃が総じて安いことが理由だった。
原題:UBS Bans Business Class Flights on Short China Trips (1)(抜粋)
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