ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.05.09 10:48

「平和は当然のものではない。努力と安全保障なしには幻想にすぎない」。マリア・カスティーヨ・フェルナンデス駐韓欧州連合(EU)大使が「ヨーロッパ・デー(5月9日)」を迎え、このように語った。ヨーロッパ・デーは1950年に欧州統合の必要性を強調した「シューマン宣言」を記念する日で、EUの出発点だ。今年のヨーロッパ・デーは「平和と安全保障のためのパートナー」というテーマの下、国際社会が協力して平和と安保を守る共同の責任を強調する。

フェルナンデス大使は1日、ソウル中区(チュング)EU代表部で中央日報のインタビューに応じ、「平和を記念する日だが、ロシアの不法侵攻で欧州の平和が脅かされている」と述べた。地政学的危機と関税葛藤の中、EUの外交戦略だけでなく国際連帯、特に韓国との協力が重要だと繰り返し強調した。ドミトロ・ポノマレンコ駐韓ウクライナ大使も共にインタビューに応じた。以下は一問一答。

--韓国とはどんな協力が可能か。

「EUと韓国は政策『競争力羅針盤』を通じて技術、防衛産業、サイバーセキュリティー、AI、半導体など多方面で協力している。昨年、韓国と安保・国防パートナーシップを結んだ後、国防協力の強化を提案してきた。6月のEU首脳会議でも議論される予定だ」

--EUのインド太平洋安保戦略は。

「ASEAN(東南アジア諸国連合)、米国、インドなどとも安保対話、海洋安保、サイバーセキュリティー、テロ対応、虚偽情報への対応などの協力をしている。欧州の艦艇がアジアの港を訪問するのも国際規範守護レベルだ」

--北朝鮮非核化問題も扱っているのか。

「朝鮮半島の完全な非核化もEUの目標だ。北朝鮮は国連安全保障理事会の決議を正面から違反しながらミサイルと核プログラムを拡張している。これは明白な国連安保理決議違反であり、国際規範に外れる行動だ。私たちは国連とのチャンネルを通じて問題を持続的に提起している。また平壌(ピョンヤン)にはスウェーデン、ポーランド、ブルガリアなど欧州国家の外交公館の一部が再開館中だ。しかし金正恩(キム・ジョンウン)委員長は対話に関心がないようだ」

韓国とEUは7日(現地時間)、ベルギーで第21回共同委員会を開き、グローバル複合危機対応のためのデジタル・革新、経済安保協力を強化することにした。また双方は核心鉱物安保パートナーシップ(MSP)などの政策協力を拡大することにした。上半期に初の安保防衛対話も開催される予定だ。

--3年目に入ったウクライナ戦争、平和交渉に進展がない。両大使の立場は。

EU大使「戦争は欧州の安保に対する意識を強めた。安保により多くの投資しなければならず、自らを守る準備ができていなければならないという点を悟らせた。ウクライナの安保は欧州の安保となる。EUは143億ユーロ(約2兆3300億円)以上を支援し、軍事・政治・経済協力を継続している」

ウクライ大使「戦争は真の友人と敵が誰であるかを明確に見せた。我々は真の平和交渉に開かれている。ロシアが一日だけの『宣伝用』休戦でなく30-90日間の実質的休戦に応じれば可能性はある。また、ロシアと北朝鮮は北朝鮮軍派兵の事実を1年以上も否認してきたが、結局は認めた。これは両国が信頼できないということを表している。中国も非公式で介入中だが、自国民の参戦防止措置を取るべきだ。また、鉱物協定の締結は米国とウクライナの関係が持続的にうまくつながっていることを見せる明確な信号だ。米国がウクライナでの自国の利益を守ろうとする強いメッセージをロシアに伝達すると考え、平和に近づく契機になることを望む」

--トランプ関税のため国際経済も混乱している。EUの立場は。

「関税は消費者と企業に有害だ。米国とは0%関税など相互利益のために交渉中であり、同時に報復措置も準備している。また、欧州では中国産低価格製品の流入に対する懸念も強まっている。中国はEUの2番目の貿易国だが、貿易不均衡が深刻だ。公正な競争と過剰生産問題は7月のEU-中国首脳会議で議論されるだろう」

両大使はインタビューの最後に「共にする価値」を強調した。フェルナンデス大使は「欧州と韓国は国連の価値、民主主義、人権、公正貿易、連帯などを共有する。韓国は信頼のパートナー」と述べた。続いて両国の関係を韓国語で「カチュイ」と表現し「『カッチ』は『共に』を意味しながらも『カチ(価値)』を内包する」と話した。ポノマレンコ大使は「戦争の前には韓国が遠く感じられたが、今はアジアで最も重要なパートナーの一つ」とし「この1年間に関係が非常に前向きに発展した」と述べた。

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