二次元消費とコレクション消費が交錯する中、ポップマートが記録的な業績拡大を達成したことが話題になっている。
二次元消費とコレクション消費が交錯する中、ポップマート(泡泡馬特)が記録的な業績拡大を達成したことが話題になっている。二次元市場の世界的な成長を背景に、IP戦略と海外展開を加速。日本と中国双方の人気IPが市場拡大を後押ししている。
「グッズ経済」が興隆
「二次元」とはアニメ、漫画、ゲームなどを指す総称だが、中国ではこれらの要素を取り入れたコンテンツやカルチャーを指すネット用語として「泛二次元(はんにじげん)」という用語が浸透している。中国の若年層文化を支える中心的存在で、二次元文化に基づく商品、いわゆる「谷子(グッズの音訳に由来)」経済が情緒的価値を重んじる若者層で盛り上がりを見せている。
こうした潮流を受け、中国発のアートトイブランド「ポップマート」が急成長を遂げて脚光を浴びている。2024年の売上高は前年比106.9%増の130億4000万元(約2608億円)、純利益は同106.9%増の34億元(約680億円)を記録。特に海外での売上高が同375.2%増の50億7000万元(約1014億円)に達し、全体の38.9%を占めるまでに拡大した。
自社IPの力で市場をけん引
ポップマートの躍進を支えるのは強力な自社IP群だ。中でもLABUBU(ラブブ)を中心とする「THE MONSTERS」シリーズは象徴的存在となり、前年比726.6%の売上成長を達成し、売上全体の23%を占めた。他にも「MOLLY」「SKULLPANDA」「CRYBABY」などが堅調に推移し、主要4大IPだけで売り上げの58%を構成している。
積極的な海外展開戦略
ポップマートはロンドン、東京、シンガポール、メルボルンなど世界各地に直営旗艦店を開設し、自動販売機型店舗「ロボショップ」も展開。さらにオンライン販売を強化し、ローカル文化に適応したブランディングを推進している。25年には売上高200億元(約4000億円)、うち海外売上高100億元(約2000億円)超を目指す方針を打ち出した。
日本のIPとのコラボと国産IPの興隆
日本のIPとの連携にも注力している。サンリオキャラクターズ、スヌーピー、AZURAなどと提携を進め、東京・渋谷や大阪で直営店展開を強化している。一方で、中国オリジナルIPの「羅小黒戦記」や「哪吒2」も市場を活性化しており、国産IPの躍進が顕著になっている。
二次元消費の黄金時代へ
中国の「泛二次元」市場は24年に約6000億元(約12兆円)規模に達し、ユーザー数は5億人を突破する見込みだ。今後10年で二次元関連市場が世界的に倍増するという予測もあり、ポップマートをはじめとするキャラクターコンテンツ企業が新たな黄金時代を迎えようとしている。(提供/邦人NAVI微信公衆号<WeChat公式アカウント>)
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