なでしこジャパンは新たなるデンマーク人指揮官のもと、新たなる次元に入れるか。2027年女子W杯、28年ロサンゼルス五輪に向けて招聘したニルス・ニールセン監督が語る自身のキャリアとサッカー観、意外な素顔とは。〈NumberWebインタビュー/全4回。第2回につづく〉
“ニルスさんの話を聞きたい”と思わせる好人物
デンマーク領グリーンランド出身のニルス・ニールセン監督が、なでしこジャパン史上初の外国籍指揮官に就任したのは、昨年12月のことだった。
翌月には英紙『ガーディアン』に、「日本女子代表を再び勝者にしようと志すグリーンランド人」というタイトルの記事が掲載された。現在53歳のデンマーク人監督の前職はマンチェスター・シティ・ウィメンズのフットボール・ディレクターで、昨年11月にはその職務を辞した理由などを同紙のインタビューで語っている。2017年の女子EUROでデンマークを率いて準優勝した実績もあり、競技発祥地イングランドでも知られた存在だ。
また彼が日本女子代表監督に就任した数日後には、アメリカのドナルド・トランプ大統領がグリーンランドを買収するか、併合したいと悪い冗談のような企てを高らかに宣言していた。そうした背景もあって、中道左派のガーディアン紙はトレンドワードを見出しに用いつつ、他国出身の女子フットボールの指導者の記事を3カ月で2度も発表したのだろうと、筆者は考えていた。
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だが1時間のインタビューを終えた今、理由はそれだけではなかったはずだと思うようになった。楽しいジョークとおしゃべりが好きなニルス──ニールセンさんと呼ばれると、かつて学校の校長を務めていた父親を思い出すので、ファーストネームで呼んでほしいと彼は言った──は、インタビュアーに好印象を与える。また彼の話が聞きたいと思わせる人なのだ。
そして就任から2カ月後には、シービリーブスカップで日本を初優勝に導いた。昨年の前回大会で最下位に終わった日本女子代表を文字通り、再び勝者にしたのだ。
世界最高の仕事…「今、とてもハッピーです」
訊きたいことは、やまほどある。現代表選手の多くが他国でプレーしていることもあり、年間の大半を世界各地で過ごすニールセン監督がコロンビアとの親善試合に合わせ、3月下旬に来日。いきなり夏になったような暑い日に、日本サッカー協会へ、なでしこたちを束ねる新監督に会いに行った。
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